さらしを持っておけ - 色々使える万能布

サバイバルのときには、実は布の需要というのは結構ある。衣類や下着や、包帯や三角巾などの医療用品、様々な袋や髪を押さえるバンダナなど、様々な布製品が必要とされる。しかし、非常時ではその全てを用意することはできない。

災害用品では幅広く使えるように複数の役割をするようなものを用意するのであるが、布製品ではなかなかそういったことは難しい。衣類は流用しようとすると、元の形を壊したりせねばならず、元にもどして使うのが困難なことがある。必要とされるもので余裕のないものを流用してしまうと必要とするものがなくなってしまうのでそういった利用の仕方はよくないのである。

そういったとき、必要度が低く持ち運びしやすいものとして挙げられたりするのがバンダナである。これは三角巾やハンカチーフの代わりに使えるといったように紹介されたりする。しかし、バンダナは長さが短く、少しばかり使い勝手が悪い。

そこで私が薦めるのは「さらし(晒)」である。幅が30cm以上あり、また長さも10mもあって使いでのある量である。十分長いので骨折した腕を吊ったり、包帯として使うときなどに使いやすい。傷口を押さえるなどの用途に、また水を濾すためのフィルターとして使うときも手軽に裂いて使えるため、これら汚れて再利用に問題のある使い方でも手軽に使うことができる。

さらしはまた、縫い合わせて加工して使うことができる。下着を作ったり、またはシャツや帽子を作ることができるだろう。衣類の応急処置として当て布にしてつくろうこともできる。発想力の限りにいろいろなものが作れるはずだ。特定の利用が想定されている物を流用するものではないので、手ぬぐいや布オムツなどの衛生用品としての利用も気軽にできる。

道具がなくても裂いて使うだけで色々と使え、ハサミと針と糸があれば無限の可能性を発揮するさらし、かさばらない上に量も多く使えるので、ひとつ用意しておいてもいいのではないだろうか。

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ツールナイフの使いどころ

非常用に備えておくものをまとめたパンフレットなどで、十得ナイフが含まれていることがある。十得ナイフは本当に便利なもので、様々な用途に使えるから、サバイバルにはうってつけの道具なのである。

その中でも、ツールナイフと呼ばれるものは、少しばかりイメージされる十得ナイフより大きいが、かなり強力な機能を持っており、相当タフな使い方をできる道具である。十種といわない多数の機能があり、ナイフやノコギリ、ヤスリ、ドライバー、栓抜き缶切、ハサミ等、ちょっとした工作なら大抵ができるほどである。

そして、特筆すべきは、ペンチの機能が付いているということだ。スイスアーミーナイフなどに代表される小型の多機能ナイフには付いていない装備で、幅広い使い方ができる。

プライヤー(ペンチを含むはさむ工具全般)があれば車の簡単な整備等に使うことができるし(というか、開発の契機が車の応急修理に便利なものをということらしい)、釘を抜いたり、何かをつまみつぶして止めたり、針金を加工したりできる。

アウトドアシーンで活躍することを考えるなら、熱い物をつまむのに重宝するだろう。例えば缶詰を開けて、そのまま火にかけるときにプライヤーでつまんで保持、移動などすることができる。飯盒の取っ手が熱い時にもつまんで持ち上げられるし、他の金属品も同様に、いくら熱くても金属のプライヤーではさめば問題なくもてるのである。

プライヤーだけでなく、しっかりしたメーカーのものを選べば、ナイフやハサミも一級品である。ナイフは木を加工し、またロープを切断したりするのに役立つ。このナイフも機能によって複数搭載するものもある。ハサミも切れ味がいいと色んなことに使える。紙や糸を切るのはもちろん、爪を切ったりすることもできる。切れ味が良いと爪を切っても切り口がきれいである。

ヤスリやノコギリなども幅広い使い方ができるが、工作慣れしていないと使い難いかもしれない。簡単な使い方としては、ヤスリは金属の切断、ノコギリは木の切断に効力を発揮する。脱出や救出の際にはいろいろなものを破壊する必要があることも予想されるが、そういったときに効果を発揮するだろう。

都会では所持するだけで警察に捕まることもある(正当な理由があれば取り締まりはされないはずだが、その理由を判定するのは警察である)これらのナイフだが、田舎ではさほど目くじらを立てて取り締まられることは少ない。だが、積極的に捕まえないだけあって、こういった工具はそもそもある程度危険なものであるので、きっちりと習熟し、周囲に危険と恐怖を与えることのないように活用しよう。

活用には幅広いアウトドアや工作の知識も必要になってくる。持っておくだけでなく、鈍い光を放つ金属の塊を非常時に希望の光を手にする道具とできるように、日々腕を磨いておくことが大事である。

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非常時こそ爪を切れ

普段の身だしなみとして爪を切ることは、まぁ大体の人がしていると思う。災害時でも生きている限り爪は伸び続け、当然それに伴って爪を切る必要が出てくる。

これは実のところ、見た目の問題にとどまらない。もっと切実な問題があるのである。

爪が伸びていると起きる事態を考えてみると、爪の間に汚れがたまったり、土が入ったりすることが考えられる。衛生的な点で言えばこれが種々の感染の原因になったりする。十分に水洗いできない環境では拭いてすませることも多いだろうが、爪が長いと十分に清潔にすることができなくなるのである。

また、爪が長いと怪我の危険がある。爪が長いと爪を引っ掛けて爪がはがれる可能性が高くなるのである。爪は手というか指先を使う上で重要な役割をしており、爪がはがれるような怪我を負うとつかむのに大きな痛みを伴うようになる。また、不衛生なものを触る機会の増える災害時にはその傷口からの感染が大きな問題ともなる。

爪がはがれるところまで行かなくても爪が長いと爪が割れたりする危険も多くなるし、また長い爪は色々な作業の邪魔にもなる。

したがって、災害時には爪を切ることが重要になってくる。作業の効率を高め、怪我の可能性を少なくするためにも爪を短く保つことが必要なのである。

普段から爪を短くしている人は落ち着いてからでもよいが、ファッション上の理由で爪を長くしていたり、そろそろ切ろうかと思っているときに非常事態に見舞われた場合などでは即座に爪を切った方がよいときもあるだろうから、できるならば爪切りを常備しておきたいところである。コンパクトにたためる爪きりなんかもある。

もしくは爪切りがない場合にはハサミで爪を切る方法もある。注意深く切る必要があるが、よく切れるハサミで切った場合、爪切りで切ったときよりも切り口がきれいになる場合もある。私もツールナイフを買ってしばらくは、習熟のために爪を付属のハサミで切っていたことがあるが、ヤスリがけの必要もない滑らかな切り具合であった。

災害時、すぐに必要なくとも時間が立てば爪は切る必要があるし、日常でも身だしなみをいつでも整えられるよう一つくらいは爪が切れる道具を用意しておいても損はないだろう。

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