ツールナイフの使いどころ

非常用に備えておくものをまとめたパンフレットなどで、十得ナイフが含まれていることがある。十得ナイフは本当に便利なもので、様々な用途に使えるから、サバイバルにはうってつけの道具なのである。

その中でも、ツールナイフと呼ばれるものは、少しばかりイメージされる十得ナイフより大きいが、かなり強力な機能を持っており、相当タフな使い方をできる道具である。十種といわない多数の機能があり、ナイフやノコギリ、ヤスリ、ドライバー、栓抜き缶切、ハサミ等、ちょっとした工作なら大抵ができるほどである。

そして、特筆すべきは、ペンチの機能が付いているということだ。スイスアーミーナイフなどに代表される小型の多機能ナイフには付いていない装備で、幅広い使い方ができる。

プライヤー(ペンチを含むはさむ工具全般)があれば車の簡単な整備等に使うことができるし(というか、開発の契機が車の応急修理に便利なものをということらしい)、釘を抜いたり、何かをつまみつぶして止めたり、針金を加工したりできる。

アウトドアシーンで活躍することを考えるなら、熱い物をつまむのに重宝するだろう。例えば缶詰を開けて、そのまま火にかけるときにプライヤーでつまんで保持、移動などすることができる。飯盒の取っ手が熱い時にもつまんで持ち上げられるし、他の金属品も同様に、いくら熱くても金属のプライヤーではさめば問題なくもてるのである。

プライヤーだけでなく、しっかりしたメーカーのものを選べば、ナイフやハサミも一級品である。ナイフは木を加工し、またロープを切断したりするのに役立つ。このナイフも機能によって複数搭載するものもある。ハサミも切れ味がいいと色んなことに使える。紙や糸を切るのはもちろん、爪を切ったりすることもできる。切れ味が良いと爪を切っても切り口がきれいである。

ヤスリやノコギリなども幅広い使い方ができるが、工作慣れしていないと使い難いかもしれない。簡単な使い方としては、ヤスリは金属の切断、ノコギリは木の切断に効力を発揮する。脱出や救出の際にはいろいろなものを破壊する必要があることも予想されるが、そういったときに効果を発揮するだろう。

都会では所持するだけで警察に捕まることもある(正当な理由があれば取り締まりはされないはずだが、その理由を判定するのは警察である)これらのナイフだが、田舎ではさほど目くじらを立てて取り締まられることは少ない。だが、積極的に捕まえないだけあって、こういった工具はそもそもある程度危険なものであるので、きっちりと習熟し、周囲に危険と恐怖を与えることのないように活用しよう。

活用には幅広いアウトドアや工作の知識も必要になってくる。持っておくだけでなく、鈍い光を放つ金属の塊を非常時に希望の光を手にする道具とできるように、日々腕を磨いておくことが大事である。

LEATHERMAN(レザーマン) チャージTTI CHGTTIL 【日本正規品】

新品価格
¥18,500から
(2013/8/5 08:42時点)

非常時こそ爪を切れ

普段の身だしなみとして爪を切ることは、まぁ大体の人がしていると思う。災害時でも生きている限り爪は伸び続け、当然それに伴って爪を切る必要が出てくる。

これは実のところ、見た目の問題にとどまらない。もっと切実な問題があるのである。

爪が伸びていると起きる事態を考えてみると、爪の間に汚れがたまったり、土が入ったりすることが考えられる。衛生的な点で言えばこれが種々の感染の原因になったりする。十分に水洗いできない環境では拭いてすませることも多いだろうが、爪が長いと十分に清潔にすることができなくなるのである。

また、爪が長いと怪我の危険がある。爪が長いと爪を引っ掛けて爪がはがれる可能性が高くなるのである。爪は手というか指先を使う上で重要な役割をしており、爪がはがれるような怪我を負うとつかむのに大きな痛みを伴うようになる。また、不衛生なものを触る機会の増える災害時にはその傷口からの感染が大きな問題ともなる。

爪がはがれるところまで行かなくても爪が長いと爪が割れたりする危険も多くなるし、また長い爪は色々な作業の邪魔にもなる。

したがって、災害時には爪を切ることが重要になってくる。作業の効率を高め、怪我の可能性を少なくするためにも爪を短く保つことが必要なのである。

普段から爪を短くしている人は落ち着いてからでもよいが、ファッション上の理由で爪を長くしていたり、そろそろ切ろうかと思っているときに非常事態に見舞われた場合などでは即座に爪を切った方がよいときもあるだろうから、できるならば爪切りを常備しておきたいところである。コンパクトにたためる爪きりなんかもある。

もしくは爪切りがない場合にはハサミで爪を切る方法もある。注意深く切る必要があるが、よく切れるハサミで切った場合、爪切りで切ったときよりも切り口がきれいになる場合もある。私もツールナイフを買ってしばらくは、習熟のために爪を付属のハサミで切っていたことがあるが、ヤスリがけの必要もない滑らかな切り具合であった。

災害時、すぐに必要なくとも時間が立てば爪は切る必要があるし、日常でも身だしなみをいつでも整えられるよう一つくらいは爪が切れる道具を用意しておいても損はないだろう。

VICTORINOX(ビクトリノックス) ネイルクリッパー 8.2055.CB 【日本正規品】

新品価格
¥1,100から
(2013/8/3 22:27時点)

単純だけどできるやつ - オイルマッチ

サバイバルで、もしくはアウトドアで、暖をとり調理をし水を沸騰させるのに火を熾すが、その着火法はいろいろとある。摩擦式発火法で行ったり、ライターやマッチを使ったり、ファイヤースチールなどで火熾ししたりすることができる。

一番手軽なものはライターやマッチなどの火をつけて利用するものだ。その火を燃えやすいものに引火させて焚き火を開始するのである。摩擦熱で発火させたり、火花を利用して着火する方法ではそれぞれ利点はあるもの手間がかかるものである。

したがってライターやマッチを持っておくのがよいということになるのであるが、それぞれ欠点もある。ガス式のライターは木への着火などの際に長く火を出し続けていると壊れてしまうことがあるし、オイル式では不意のときにオイル切れの心配がある。また、ライターは手軽さで群を抜いているが、焚き火のとき焚き火構造物の内部に火を放つ用途には向いていない。マッチは焚き火の木を組んだ中に放り込むことができるが、マッチは濡れると使い物にならず、また濡れに強いものでも数に限りがあり、あまり多く持ち歩くことはできない。

それぞれ長所と短所があるが、独特の構造でそれを合わせた特徴を持たせたものもある。オイルマッチと呼ばれる独特なオイルライターである。メタルマッチ、AQマッチという言われ方もするこれは、オイルライターとマッチの特徴を合わせたようになっている。

オイルマッチはオイルタンクの蓋の内側に筒が付いており、その先にライターの芯と金属板が付いている。蓋を閉めるとこの筒と芯がオイルにつかり、オイルが芯にしみこみ、これを取り出して側面についているフリントスティックにこすりつけて火花を出してオイルに着火する。手軽に火がつき、また棒状であるため、これを焚き火構造物に差し込んで着火させることもできる。

正規な利用法だけでなく、変則的な利用もできる。側面のスティックはオイル切れのときも火花を出すことができるので、ファイヤースチール的な使い方ができる。また、オイルは綿にしみこませているわけでないのでタンクから出して振りかけて着火させるなどができる。単純な構造ゆえに幅広く使えるポテンシャルがある。

サバイバル時では色々な使い方ができることが重要だ。オイルがなくても利用できる可能性のあるオイルマッチは野外活動で活躍する可能性を秘めた装備である。

オイルマッチ ファイヤースターター 永久マッチ

新品価格
¥500から
(2013/8/2 16:10時点)