ゼロから小屋を作る

サバイバル時には身を守るシェルターが必要になる。雨風から体を守り、暑さ寒さを和らげることもできるそういった拠点は一番に確保する必要のある場合も多々あるものである。

都合よく洞窟などの使いやすいシェルターが見つかるのならばいいのであるが、そう都合よくいく場合ばかりではないから、あらかじめ簡易のものを準備するかその場で作る必要がある。いままでsuvtechで扱ったそういう製作の手法は、道具であったり材料の一部を用意して、効率的に組み合わせて製作しているものがほとんどだ。そうして大変な部分をあらかじめ用意しておけば早く、労力を少なくすることができる。

さて、では道具がなければもしくは材料がなければ諦めるほうが良いのか?そんなことはない。古典的な、原始的な手法を用いて何もないところからでも立派なものを作ることができる。今回はそんなことを実践している動画を紹介しよう。

石を打ち欠いて石斧を作り、それを使って材木を採り、つる植物から紐を得て、組み合わせて小屋の木組みを作ってしまう。葉を集めて屋根を作り(これは防水性が悪くあとで樹皮に替えられた)、薄い板を作って編み込んで壁にする。壁土を塗りたいが水を運ぶものがないから土器を作り、それで運んだ水と近場の土で壁土を練って壁を塗った。

なんとまぁ、立派な小屋ができるものである。原始的な製作技術の見本市のような工程で、できるものは大きくて実用可能なものである。暖炉とベッドを備えた十分な出来栄えだ。何もないところに放り出されても悲観することはない。人間ひとりで何もなくともこれだけのことができるのである。

とはいえ、道具があればよりやりやすいことには変わりないから道具もしっかり備えよう。この動画を見ていると知識を備え、道具を備え、そして覚悟が備わればもはやどこにいても小屋を作るくらいはできそうな気分になってくるのではないだろうか。

水の上でたき火

サバイバルの基本は火である。人間は火によって寒さを克服し、食べられる食料を増やした。したがってどのような環境でも火を得られるというのは非常に重要なことである。

いままでも様々な状況でのたき火を紹介したが、今回は特に面白い状況でのたき火である。それは水上でのたき火である。

といっても浅い水の上、川の浅瀬といったところであるが、それでも通常たき火などできない水の上でたき火を行っている。

先を尖らせた木の杭で土台を作り、それに木の枠を固定して、台を作る。そして粘土なんかをつかって空気を遮断することでたき火台として機能するようになっている。

こういった土台を作っておけば、例えばシェルターなどの拠点に大雨で水たまりになっても屋根がしっかりしていれば火で暖をとることができるし。また川で夜間に火を焚き照明として使い、魚を獲ることも十分可能であろう。

水の上で火を焚くという発想はなかなかできないものである。しかし、不可能というものもあまりない。自由な発想で必要を満たす工夫ができるように感覚を養いたいものである。

豪快なフィッシング(釣りではない)

タイトルがおかしいと思うかもしれないが、今回紹介する動画ではまさにタイトル通りのことをしている。フィッシングは釣りと訳されることが多いが、魚を獲ること全般に使われるようであるからその意味で間違ってはないのだろう。

魚を獲るとなるとまず第一に釣りを思い浮かべるのであるが、サバイバルでは道具がそろうことばかりでもない。したがってあるもので工夫してやり遂げることが必要である。

上の動画を見ていただければわかるが、鉈のような刃物で魚を叩き切って獲っている。しかしながら、何も考えずにとれるようなものではなく、陸に近い浅瀬に魚が近づく地形を選定し、そして辛抱強く姿を見られないように待つのである。この待ち方は白鷺の水に佇み獲物を待つ姿を連想させるもので、大自然で培われた方法のひとつであろう。

また、後半では手づかみで獲れる獲物も狙っている。日本ではアメリカザリガニがいるから同様にして食料を得ることは比較的容易であろう。ザリガニもするめなどで釣る遊びがあるが、注意深く狙えば素手で十分捕獲可能である。

辛抱強さと観察力があれば道具の如何にかかわらずサバイバルをすることはできる。あとは安全に行うためにいくつかの知識を持てば完璧だ。素手でもザリガニを捕まえて、寄生虫を加熱して殺せば安全な食料が手に入る。道具をそろえたうえでこういった発想も身に着けることで少々のトラブルではびくともしないサバイバル力が身につくはずである。