とってもシンプルな木登り補助具 - 足縄で木登り

サバイバルで木登りというのはあり得ることである。木の上から見渡して位置を確認したり、木の実をとるためだったりと、木に登ることで得られる利点というのはあるものである。しかしながら、木登りは大変な重労働である。何も道具を使用しない場合、数十キロの体重を手足の挟み込みの力だけで登らなければならないのである。

とはいえ、木に登るというのはさほど特殊な行動ではなく林業などでは日常的業務であり、ありがたいことに先人たちによって様々な道具や手法が開発されている。安全度の高いものや木を傷めないもの、登る速度が速いものなど様々な性質のものが存在する。

今回はそのうちで最もシンプルな道具で素晴らしい効用をもたらす手法を紹介している動画を見かけたのでこれを紹介しよう。

これは輪になったロープ一本を補助具として木に登る手法だが、本当にシンプルな手法ながらすいすいと登っている。もちろん両腕にある程度体を支える力は必要なのであるが、足縄と手が幹を挟むようにロックしているため、小さな力で安定して姿勢を維持し、また登ることが可能である。

もちろん落下の危険はなくならないが、しかしながら何もなしでは木に登れない人もこういったもので木登りできるようになると行動の選択肢はすさまじく増大する。道具はロープ一本だから、機会があったら怪我をしない低い位置で少し試すのも悪くないはずだ。

森を楽しむ、古い技術を楽しむ人々

夏は一般的にアウトドアレジャーの季節だ。実のところ、各種危険生物の活動も活発になるので危険な時期でもあるのだが、それでも水辺で遊べ、夜でも温かな気候というのはレジャーにとってはとてもよい時期であろう。

そういうわけで、夏には森にいって活動するというのはいいアイデアだろう。自然物に触れ、各種の危険生物も近くに感じ、それらの性質・実態を実感として知るというのはサバイバルトレーニングとしても有効である。とはいえ、危険危険といい続けるのもつまらないことだ。アウトドアの醍醐味は、そしてサバイバル趣味の醍醐味はなんといっても工夫と工作である。今回はそういったアウトドアの工作、ブッシュクラフトを一通り楽しんでいる動画を紹介しよう。

シェルターを作り、椅子(ベンチ)をつくり、火を熾し、石のナイフを作る。ブッシュクラフトのエッセンスが凝縮されたようである。瀟洒な感じは欠片も無いが、どれも機能し楽しく、アウトドアの楽しみはこうであるという手本である様な感じさえする。

日本ではここまで出来るところは無い(少なくともキャンプサイトのようなところでは難しい)が、落ちている枝を拾って工作したり、工作の材料を持ち込んだりして楽しむことは可能だろう。ぜひ安全に気をつけて、環境と周囲の方々に迷惑をかけない程度に実践して楽しんでみて欲しい。

[物資節約]使い捨て剃刀を研ぐ

非常時にはなんでも不足する。流通が途絶えると食料・飲料・電池類のみならず消耗品の類は全て不足するといっていいだろう。そういうときのために備蓄をするのではあるけれども、何でもかんでも備蓄するのではスペースをとって仕方が無い。備蓄用のスペースも金銭も限りある資源であるからより生命に直結する食料・飲料に多くを費やしたいところである。そのため、生活の質を大きく落とさないところでは生活物資を節約するということも重要なのである。消費する物資の量を減らすことで備蓄する量も少なくてすみ、リソースをより重要なことに利用することが出来る。

さほど生命・健康に直結しない消耗品というのはそこそこあって、化粧品だとかリンス・トリートメントの類(シャンプー・石鹸は衛生的に重要)、そして剃刀なんかもそうである。それぞれは身だしなみを調えて対人関係を円滑に行かせるために有効であるから完全になくしてしまうことはよくないにしても、少量ですむ方法があるならばそれにこしたことはない。

特に上記の中で節約しやすいのは剃刀であろうか。剃刀は金属製であって、化粧品などと違って使用するだけで消費してしまうものとは少し異なる。最近の剃刀は多くが使い捨てのもので、切れ味が弱ると捨ててしまうために消耗品の扱いであるが、そもそもは一本の刃物であり耐久消費財の類であった。すなわち適切なメンテナンスを行えば使い続けることができる道具なわけである。もちろん本格的な一枚の刃物の剃刀を使うのは現代的なT字複数刃の剃刀になれた者には危険であるし、私もお勧めしない。それよりはT字の剃刀を長く使うためのテクニックがあるのでこれを紹介したい。

ジーンズで刃を剃るのとは逆方向に滑らせて砥ぐという簡単な方法である。もちろん開封したての鋭い切れ味というわけにはいかないが、しかしながら実感できるほどに切れ味は回復する。これは剃刀の砥ぎ方で使う皮砥のようなものである。皮砥は研磨剤をつけた皮の帯で剃刀を砥ぐのであるが、仕上げでは研磨剤無しの皮で刃を整える。ジーンズの布であればある程度の砥ぎの効果と刃を整える効果がみこめるのかもしれない。

何もない場合でも皮膚で研ぐというか、刃を整えるということも出来る。いまいち切れがよろしくない剃刀を使っているとき、肌を切らないように慎重にする必要はあるが、自分の皮膚を皮砥のようにつかって刃を整えると切れるようになった体験をしたことがある。剃刀は鋭い刃がとても繊細で切れ味が変わり易い。繊細であるがゆえにこんな突拍子も無いことでも効果があったりするのである。私も初めは半信半疑であったが、やってみるとなかなか面白いものであるから、だまされたと思って少しばかり試してみてはどうだろうか。