木と縄で作る罠

森の中で食料を得るとき、植物採集だけでは限界がある。もちろん豊かな環境に恵まれればそれだけで十分な場合もあるのであるが、それを期待するだけでは生き残ることはできない。

そういったときに動物を捕まえて食べるわけであるが、対象の動物や方法は様々ある。多くのサバイバル教本でまず触れるのは釣りである。簡単で、また資源が集中していて見つけやすいというのが理由であるが、何らかの理由で釣りができないときも食料を得る方法をいくつか知っておくべきだろう。

魚でない、陸上動物を狩猟するときに、それこそ原始人のように石と木の棒を持って追いかけ直接的に狩る方法もあるが、しかしながら、サバイバルではそういった体力の消耗はひかえたいところである。そこで、罠による猟が注目される。罠猟は、始めの構造をしっかり作れば長く緊張して動物を追いかけなくともよく、また複数の場所に仕掛けることもできる。

今回紹介する動画は、その罠のほとんどを木を切り出して作り出している。紹介されている3つの罠は基本的な構造を押さえているので、罠を覚えたいという人には参考になるだろう。

一応注意しておくと、日本国内では免許がなければ罠猟をすることはできない。また一般に紹介されるサバイバル用の罠は、免許があっても使用できない禁止されたものばかりなので、非常時に、本当に必要なときだけ緊急避難的に利用するようにしよう。

ヒートリフレクタの重要性は温かさだけの問題ではない

寒い時期になると、なぜだか一段と火の関連の動画が面白く感じる。気温が低いと温かさが恋しくなるからだろうか。こういうときこそアウトドアの動画を見て楽しむのがよいだろう。ただ楽しいだけではなく、それぞれの動画にはそれぞれのアウトドアテクニックが見える。また、そのテクニックを解説してくれる親切な動画は特によい。

今回は前回も紹介したbushcraftbartonsの動画で、ヒートリフレクタを扱ったビデオを紹介する。

ヒートリフレクタは焚き火などの熱を反射するためのものである。焚き火からは多くの赤外線、可視光などが放射されそれが当たることで温かくなる。したがって四方八方に垂れ流すように放射させるのではなく、必要なところへ有効に作用するように反射を行うようにするのである。しかし、それだけではないらしい。

いうところによると、つまりヒートリフレクタは焚き火に当たる風もさえぎるため煙の方向が限定されるようなのである。煙があっちこっちに風が吹くままに吹き散らされると、それをどうしても吸い込むはめになるがそうなると休むどころではなくなることもあるだろう。そういったことをヒートリフレクタを構築することで少なくすることができるのである。

ヒートリフレクタをシェルターの真正面に設置してその間で火を焚けば、その煙が流れる方向は、風がシェルターとリフレクタによりさえぎられるためシェルターの左右に向かって流れやすくなるのである。

ところで、動画中ではシェルターだけでヒートリフレクタを設置していない。はてな、と思うだろうが、それについても答えてくれている。答えは「ビデオが撮り難いから」
なるほど納得ではあるが、タイトルからいうとシェルターよりリフレクターの方が主役なんだから・・・と思わないでもない。

凍える寒さの中での焚き火

冬になると寒いところでのサバイバルについて思いを寄せることが多い。私と同じく寒くなると極寒の地や雪の中でのサバイバルの方法を考える人はいるかと思う(とくにsuvtechを見ているような方には多いと思う)が、今回はその雪の中でのアウトドア活動の動画を紹介したいと思う。

アウトドアの動画では(とくに寒い時期の撮影であると)火を焚くシーンは多く見られる。状況の良い場合の焚き火には何の問題もないのであるが、雨の中や強い風の中、寒い時期などでは着火し難く工夫が必要になる。また雪の中などになると、積もった雪の影響で、乾燥した着火しやすい素材を得ることが難しくなったりもする。雪が落ちている枝を隠す上に乾燥もし難くし、また可燃物を冷却し火がつくまでに必要なエネルギーが大きくなるからである。そんな中でも生存のために火をつける技術を見てみよう。

当然、サバイバル状況下では潤沢な燃料の補給は望むべくもないから、そのあたりから燃料となるものを集めるべきであるが、特に着火の初期につかうティンダー(火口)を得るのは重要になる。人工物ではポケットティッシュやポケットの中の糸くずなどあるが、自然物からだとなかなかどう得て良いのか悩むものである。上の動画では立ち木の皮をティンダーとして使っている。手で剥げる皮は種火を大きくするための燃料として、またナイフで削ったより細かくふわふわしたものは火種をつけるティンダーとして利用している。この準備によって凍える寒さの中でも火打石と火打金の火花で火をつけることに成功している。

もちろんごくごく原始的な火付け方法だけでなく、ファイヤースチールのような近代的な火花式のものでも着火は可能であるが、同様の準備をしていればより確実に火を得ることができるだろう。寒すぎるとガスストーブやガスを使った着火装置などが動作しないときなどがある(ガスは物により一定の温度以下で気化しなくなる)ので火花式で着火できる知識もしっかり持っておきたいものである。