簡単に作れる木の針で釣りをする

サバイバルではシェルターや水の確保が大変重要である。そして、それらが確保されれば次は食料である。食料を確保する手段で、現代社会でも比較的手軽に行えるのが釣りである。釣りの有効性については以前にも触れたことがあるのだが、しかし、釣りには道具が必要となる。

釣りの道具は様々なものが市販されており、コンパクトなものが多くあるのではあるが、しかしそれはつまるところ初めから整った道具を使用する釣りであり、サバイバルにおいてはそれらが手元にない場合にも何とかできるように手法を学んでおくことは重要なことであろう。代用品を用いて、釣りで必要になる針と糸を得なければならないわけである。

さて、ここでは特に釣り針について考えようと思う。釣り糸も単純には手に入らないものではあるが、つまるところ丈夫な糸・紐であれば用は足りるのであるから、サバイバルブレスレットあたりを持っていてパラコードが調達できるのであればそれでよいし、なくともつる性植物等で代用できる。十分想像力で補えるところである。一方で釣り針は一般的にJの字の形を想像され、また古代の遺物を見ても骨の針などみてもJの字、フックの形をしている物である。これを作るのはかなりの手間であろう。

しかし、サバイバルコミュニティではよく知られる方法にかなり簡単なものがある。これはgorge hookと呼ばれる針なのであるが、極々簡単な構造である。

上に紹介している動画を見ていただければ分かるだろうが、両端が尖った木の針の真ん中に糸をつけるという単純な構造で、魚を釣り上げてしまっている。知っていればなんと言うことのない工作なのであるが、知っていなければ思いつくのは少し難しいかもしれない。

食料の確保は長期のサバイバルにおいては避けることの出来ない問題である。発想の種をたくさん仕入れておいて、装備と物資の不足する中でも工夫で切り抜けられるようになっておきたいものである。

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投石紐(スリング)で投石する人

前回、投石について語ったが、人間の手だけで行うことには限界があり、機械まで行かずとも道具、つまり器械の助けを得ることでより強力な効果を得ることが出来るようになる。投石ではその道具の一番単純なものはスリング(投石紐)である。似た名前のものにスリングショットがあるが、これはゴムを使い、より高等で複雑なもので原理が違う。

さて、スリングであるが、これは投げる石をのせる部分を中央に、その両端に振り回すための紐が2本ついた形式になっている。そして2本の紐の片側を手に装着し、もう片側を装着した側の手の指で持つ。この状態で、石をのせる部分に包み込むように石を搭載し、振り回して適切なタイミングで指でつまんでいた紐を離すと石が飛んでいくという具合である。

実践者が結構多いので参考に動画を紹介しておこう。サバイバル系やプリミティブな技術の動画は海外には数が多い一方で日本人によるものはほとんど見ないものであるが、珍しく日本の動画を見かけたのでそちらを紹介しよう。

この動画では編みこみで、一本の紐からなっているが、二股に分かれる紐の部分が布であっても機能する。分かりやすい説明もあってすばらしい動画であるが、日本ではどうしても稀で奇特な方であることが悩ましいところである。

原始時代の道具で弓矢を作る

今回は久しぶりに、大自然のサバイバルを見よう。ここ最近、都市部での備えに偏って、少しばかりアウトドア志向のいうなれば夢のあるサバイバルからは遠ざかっていたが、ある意味、そんな状況にはそうならないだろうという突拍子もない状況(つまり未開の森の中に置き去り、とか文明のにおいのしない場所に長期間とか)に必要な技術が、極限状態に役に立つことだってある。

さて、サバイバルでは食料を得るためにいろんなことをする。言葉でまとめると狩猟採集と一息で言ってしまえるが、その手法も様々である。そのうちカロリーを多く得られる可能性のある方法が狩猟であり、その手法で一番イメージが一般的なのが槍と弓矢による狩猟だろう。原始的な狩りといって思い浮かぶのが投げやり、そしてそこから一歩進めば弓矢である。そういうわけで、狩猟をしようとすると、個人の狩猟では投げ槍の手法では獲物を獲づらいので(何本も槍を打ち込まなければならない)弓矢が必要となってくるが、弓矢を初めから持っている人間なんてそんなに居ないだろう。となれば作る必要がある。

世界は広いもので弓矢を作る人もかなり存在しており、手法の一端を学ぶことができる。

上の動画では原始的な道具と材料で弓矢を作っている。弓となる木材、矢となる木材を削って曲げてまっすぐに直したりする。その際には石と木から作られた道具と焚き火の火しか使わない。また、松脂と炭から硬い接着用の樹脂を作り、それと植物の繊維でもって鏃を固定する。また羽の部分も鳥の羽と植物の繊維、そして接着剤となる植物(これは松脂で代用できるかもしれない)を使って矢に固定している。

なかなかにきちんとしている弓矢が森の中で作成可能なのである。狩猟の方法は罠もあり、弓矢だけのものではないが、選択肢と道具は多い方がよい。また有事の際には武器ともなる頼もしいものである。知識と、基礎的な技術は持っていれば役に立つかもしれない。

なお、弓矢での狩猟は日本において完全に違法であり、そのほか各種法に触れる可能性もあるので実践の際は適法の範囲に収まるように各自注意していただきたい。