焚き火にくべる薪を作るとき、また火を熾すときの焚き付けを作るときに薪割りをする。斧の使用法としても真っ先に思い浮かぶのが薪割りであろうと思う。また、燃料として利用しなくても、太い木の利用をする際に割って使いたい場合は結構あるだろう。
様々な木を割って使うことになるわけであるが、斧だけで作業するときに薪割りは少しばかり一般のイメージと異なる方法をとる。
玉切りの際に鋸を使わない場合、得られる丸太の端は平坦にならない。一般的に薪割りとしてイメージされるのは薪割り台に自立する丸太に斧を振り下ろすような光景だろうと思う。しかし、斧での玉切りを行うと端はとがった状態となり、このままでは薪割り台に、もしくは地面にそのままでも自立することはない。
したがって、そういう場合は他の方法で割ろうとする木を安定させて割らなければならない。
1つの方法としては横たえた丸太に立てかけて割る方法がある。立てかけた後に縦方向に割るように斧を振り下ろす。この際、足を広げて、割った後に勢いがついたまま足に刃が当たらないようにしている。より安全には横たえた丸太の向こう側に割る木を置いて、横方向から刃を入れる方法である。この場合木が割れたあとも、刃が横たえた丸太に当たるので安全である。
また、自立しない木を木の棒で押さえて立たせ、そこに斧を打ち込む方法もある。両手で斧を持つことができないが、地面がぬかるんでいる等で、割る場所に制限がある場合などで使えるだろう。
ほかにも、片手で持てる程度の太さの木であれば、片手で斧を持ち、もう片方で割る木を持って斧の刃にあてて一緒に振り下ろして割るという手法もある。これは小さな木でしかできないが、同時に小さな木を割るときには、斧をはずすことがないので重宝する。例えば箸のような細い木の棒を作るときにはよい。焚きつけなどで細い薪が必要になることも多いので活躍することも多いだろう。