斧で木を切り倒す

大きな木材を得る場合には木を切り倒す必要がある。そういったときにチェーンソーや鋸があれば作業は楽で効率が良いが、そうも言っていられない状況というのはある。

しかしながら、斧が1本あれば木を切り倒すくらいわけなくできる。

ほとんど切り方は鋸で切るときと同じであるが、斧の特性上一直線に切り進むことはできないから、追い口はどうしても楔形に切り進むことになる。

そんなに時間もかからずに切り倒してしまっているが、斧の特性を理解している人間がするとここまで早くできるものなのである。斧は木の繊維に直角に切るのは得意でないから斜めに刃が入るように打ち込んでいるのである。また、追い口を切り進んでいるとき、最後のほうは注意深くきり、斧の勢いで残すべき中心部をへし折ってしまわないようにしている。そういった細かな配慮が自然にできるベテランでなくとも、ちょっと意識して斧を使えば時間をかければ切り倒すことは可能である。

そもそも斧を用意できないこともあるが、そういった場合は石から作るという手もある。石器時代はそうしてきたし、鋸を作るよりはだいぶ難易度は低い。

また、大振りなナイフを斧の代わりに使うこともできるから、覚えておいて損はないだろうと思う。

木の切り倒し方

自然物を利用してものを作るときに、いずれ突き当たる課題が木の伐採である。一定以上の大きさの木材を用意しようとするときに倒木に頼っていては間に合わないこともあるからだ。

木の伐採に使う道具は斧や鋸、現代ではチェーンソーや伐採用の重機があるが、重機は置いておくとしても、他の方法ではほとんど同じようにして伐採をする。

特に鋸とチェーンソーは切る時間が遅いか早いか、また人力か動力かの違いだけで、切り方はまったく一緒である。今回はサバイバルを考慮して、鋸で木を切り倒し木材を得ることを考える。

木を切り倒すとき、切り倒す方向に向かって口が開くようにクサビ型の切込み(受け口)を入れる。この切れ込みは大体木の直径の1/3程度である。そして、その反対方向からいくらかの切れ込み(追い口)を入れる。このとき木を完全に切ってしまわないようにする。これにより残った部分が蝶番のような役割をし、倒れるときに跳ねたり滑ったりして予測不能な動きをしにくくなる。

下の動画では組み立て式の鋸で木を切り倒している。他にも鋸を引くときに、クサビを使って切りやすくする方法も紹介している。

木を切り倒すときはその切る方向に注意しなければならない。たとえば斜面に木があるときは、斜面に対して直角に倒れるように切らなければならない。斜面方向に倒すと木が滑ったときに自らのほうに転がってくるなどして身の危険が生ずる場合がある。また、斜面下方向に倒すと、倒れたときの衝撃が大きく、木が折れて跳ぶ危険がある。

木の伐採は大きな木材が得られる反面、危険も伴うから十分に安全に気を使う必要がある。特にサバイバル的な状態であればなおさら危険には敏感でなければならないから、安全のためにできることを確実に行う必要がある。

現代日本で木を伐採するのは林業関係者でなければそう機会のあるものではないが、実践する機会があるならば、十分に周囲と自分の安全に配慮して行って欲しい。

弓鋸の作り方(組立て方)

サバイバルで野外生活を余儀なくされたとき、身の回りのものは自分で作ることが必要となるが、始めから現地で作ることを前提に装備を用意すると荷物をだいぶ減らすことができる。

自作が困難で、またあるとブッシュクラフト(野外での自然物を使った工作全般のこと)がはかどる道具に鋸がある。鋸は斧やナイフといった野外活動のメインとなる刃物で代替できない作業ができる工具であり、あると工作の幅が大きく広がるのである。

ただ、鋸は刃のみならずその付帯物(主に持ち手)がかさばり、携帯に便利なものは少ない。そこで、鋸の刃だけを装備に含め、持ち手は現地で作るという方法を取るような者がでてくるようになる。

弓鋸の刃は大体は両端に取り付け用の穴が開いており、そこに木の棒を挿し、まげて弓状にした木の棒に引っ掛けることで弓鋸として使用する。弓となる棒には両端に鋸刃が挟まる切れ込みを入れて、また刃の穴に通した棒が引っかかるくぼみを削って付けてやる。そして、組上げたあとには引っかかりの部分を紐で固定してやれば完璧である。

日本では動画のような長さの弓鋸の刃は入手しにくいが、もっと短いものであれば入手は容易である。また、現代ではネットを使えばあまり流通していないものでも手に入れやすくなったのでそういったところで購入してもいいだろう。

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