サバイバルと精米機? 備蓄米をおいしく食べる

CIMG3145災害時などで比較的被害が少なかった場合でも、周囲のインフラが寸断されて復旧に膨大な時間がかかることがある。流通も当然であるが停止する。そういったときに生活が逼迫しないよう、種々の生活用品や食料を備蓄しておくことは大変重要である。

その一方で、大量の備蓄をするとその更新には大変なコストも伴うようになる。備蓄用として設計されたものなどでは物により3年から10年の間に更新するようになっている。こういったものは価格も相応にかかり、また更新のたびにその物資は無駄になってしまう。したがって日常生活で使うものをそのまま備蓄とし、順次古いものから消費して入れ替えるようにすることをこのサイトでも推奨してきた。

しかしながら、この方法も少しばかり難点がある。常に購入から時間がたったものを消費するという点である。例えば3ヶ月の食料を備蓄するとしたときに、その更新のために消費する期間も3ヶ月かかるのは計算をしなくとも分かることであろう。したがって想定して備蓄するその期間だけ時間がたったものを消費することになりうるということになる。

おおよその場合はこういった風に備蓄したとしても食味には影響することは少ない。レトルトパックなどは賞味期限間近でも風味の劣化が感じられることは稀であるし、その他乾物やきっちりパッケージングされた小麦やフリーズドライの食品なども包装に問題なければ保存期間がさほど味に影響することはないといっていい。一部、乾麺などでは周囲の匂いが移ってしまったり、油の酸化が心配されるが、同時にそういった食品は賞味期限もさほど長くないので短期のスパンで更新せざるをえないだろう。

ここで問題となるのが、日本人の主食であり常温保存が可能な穀物である米である。米離れが言われてはいるが、いまだに多く常食されており、家庭にもある程度の量が普通に存在する米は備蓄を考える上でも主になるところの食品であろう。しかし一方で、米は保存の方法と期間によって大きく味が劣化する食品でもある。

広く市販されている白米には表面に薄い糠の層(肌糠)が存在する。それゆえ炊飯前に米をとぐということが行われる。軽く肌糠を取り去り食味を良くするというわけである。しかし長期間保存された米はその表面の糠層の油脂が酸化されてより味の悪い状態に変化している。これは表面を軽く洗い落とした程度では対応できず風味の悪化として感じられることとなる。

これは実は糠に含まれる酵素が一因となっており避け難い現象である。冷蔵庫などで低温で保存すれば軽減することもできるが、長期の食糧備蓄を冷蔵庫で行うのはかなり場所をとり、専用の冷蔵庫を用意するなどせねばならずコストがかさむ。したがって、大量の米を備蓄する際はその劣化に対処する方法を用意しなくては、災害対策のために日常の食生活を犠牲にしかねない。

幸いなことに今日では便利な家電製品が存在する。長期にわたり常温で保存した白米を精米してすぐのようなフレッシュな状態にする機能の付いた家庭用精米機が存在するのである。これは、表面の糠の層を通常の精米と同じプロセスで取り去ることで劣化した層を除き食味を向上させるというものだ。これにより、長期にわたり米を備蓄していてもおいしく食べながら更新していくことができる。実際我が家でも行っているが、1ヶ月程度の期間置いた物でもかなりの味の向上がみられた。また、精米機には無洗米にする機能が付いている物もあり、利便性の向上も可能である。

精米機は電気製品であるから災害時には利用できないが、そういったときには食料があることが重要で味は二の次である。そのときのための備えを心地よくできるように、米の備蓄をおいしく更新していけるように、家庭用精米機が果たす役割は大きい。

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ログハウスから学ぶ

サバイバルの好きなサバイバリストというのは、大抵がアウトドアが好きなものである。自然の中で生き抜くことはリスクも多いが、サバイバルの基本といえば野外で自然物を活用することであり、つまり極端なアウトドアレジャーといってもいい。想定するシーンがもっと行き過ぎて文明の崩壊まで視野に入れだすと全てのことがサバイバルに結びつきだすのだが、それはさておいても、サバイバルを考える人は自然の中の活動や、古きよき野外での活動を愛好する人であることが多いように思う。

同時に、サバイバルを考えるときに、アウトドアや野外活動などの手法・技術を知ることはかなり有益なことである。火のつけ方や野外料理のやり方、ロープワークなど様々な技術がそこにはある。ログハウス(log  cabin)もその1つといっていいだろう。

ログハウスは英語圏ではログキャビンを呼ばれることが多いが、自然好きなどの中に愛好家が多い建築物である。丸太を少しだけ加工してそれを積み上げて作る素朴な家である。そして素朴であり、構造が単純であるがゆえに古来の方法を残しており、加工も少なくてすむため手作業の入る余地がいまだにあるのがこの類の家である。自分で建てるセルフビルドも行われていて、自分がかかわる余地が多いのも人気の一因であろう。

人の手で作るには少し巨大なログハウスの技術は、つまるところシェルター作りの技術の行き着く先の一つである。頑丈な壁を作り内部を守るログハウスはシェルターとしてはかなり上位のものといって良いだろう。そしてそれは手作業で作り上げることが可能なものでもあるのだ。

今回紹介する動画はそのログハウスの作り方を紹介するものだ。2種類のログハウスを紹介し、その補修に使う丸太の加工を行っている。一部チェーンソーなど近代的な機器を用いるシーンもあるが、大抵の作業は手作業で斧やノミを使ってのものである。動画は補修であるが、その技術を応用すれば小型のログハウスならば作れそうな気がしてくるものである。実際に作れなくともその一連の技術はシェルターを作る際の構造の作り方に応用でき、より頑丈であったり使いよいシェルターとできるはずである。

非常用品を外に置く

災害時の備えは重要であることは、ここを御覧の皆様方にはすでに言うまでも無いことであるかもしれないが、その置き場についてはどのようにしているであろうか。

例えばベッドの隣に非常持ち出し袋だとか、押し入れの中に非常食その他を詰め込んでいる人もいるだろうか。あるいは以前紹介したように車の中にそういった品を常備している方もあるだろう。どれも正しく、良い備蓄、準備の仕方であると思う。特に、家の中だけでなく車など、他の場所に準備しておくことは大変重要である。

地震などの災害時に、家屋は絶対の設備とはならない。しっかりと建っているように見える家であったとしても、倒壊などの可能性は潜んでいることがある。したがって、家という一箇所に全てを用意しておくというのはリスクが大きい。

そういうことを考えると、車などに備蓄品を置いておくことの意義は大きい。複数個所に分散することで全ての装備を失うことを防ぐことができるからだ。分散して置く場所は多ければ多い方がよい。家の中でもいくつかの場所に分散しておけば半壊時などに対応できる。

納屋などがあれば、そこに非常用品を置くのはかなり良い手だ。小規模な施設はたとえ倒壊しても人力で埋まった物資を取り出すのに労力が少なくてすむからだ。コンテナタイプの倉庫であればさらに耐久度が高くそもそもの倒壊リスクも低いのでお勧めである。

しかし、なかなかそういった施設を用意するのは大変な場合もある。そういう施設が無い場合にはどうしたらよいだろうか。

マンションなどではできることは少ないだろう。付近にトランクルームの類があればそこを借りてしまうなどがせいぜいであろうか。一方で、一戸建てなどで少しスペースがある場合、小規模であるが手ごろな手がある。雨の入らない容器を用意してそこに入れておけばよいのである。

アイリスオーヤマがなかなかいい製品を出している。屋外物置ホームロッカーという名前通りに屋外に置くロッカーで、大きくなく、また価格もそれほど高くないので手ごろでよい。ほかにも色々ストッカー(収納用品)があるので、好みのものを使って物資を分散するとよいのではないだろうか。