コンパクトなウッドストーブ

木を燃やして暖を取り、また湯を沸かし調理するというのは、アウトドアの醍醐味であり、サバイバルにおいては基本でありまた重要な技術である。

木を燃やすこと、つまり焚き火は基本であり、太古の昔から行われてきたことであるのだが一方でその手法は様々ある。技能によって使える方法や使えない方法、複雑で手間はかかるがより効率的な方法などあり、知識を得て経験をつめば効率的で使いやすい焚き火やかまどを作ることができるようにはなるが初心者や経験者でも雨天など悪環境では難しい場合もある。

他にも周囲の環境によってはかまどを作る材料が得難い場合もあるし、そもそもそういった構造物をつくるために時間をさけない場合もある。かまどを作り、また空気の流入に気を使って焚き火を組むのは時間がかかるし火が大きくなるまでは気を使う作業でもある。サバイバル状況では特に火を確実に得たいから焚き火の扱いには気を使うところである。

そういったことから、火を焚く環境が持ち運べるならばそれにこしたことはない。実際ウッドストーブと呼ばれる製品群が存在し、アウトドアファンの中で一定の人気を得ている。そういった製品はつまるところ持ち運び式のかまどであり、少しばかりかさばる場合がある。たいていはそのスペースに他の装備をいれるなりするが、装備の容積の制限となることは避けられない。そういった中で、折りたたんでコンパクトに収納できる製品が存在する。

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もはやウッドストーブの中でも定番といえるかもしれないほどになっている折り畳みのストーブは、単純な構造でありながら通気と防風、そして五徳の機能という火を使った調理に必要な機能をおさえており、大変通好みの仕上がりとなっている。

上の動画を見ると、細い枝しか燃料に用いていない中でも十分に調理できている。これは燃料に制限があることもあるサバイバル状態であっても活躍できる装備であることを示しているといって良いだろう。コンパクトで、しかもチタン製のものは軽量でもあるから、装備の容積と重量が逼迫していなければ検討しても良いだろう。

備蓄品としてみたときのパックご飯

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2013年10月下旬購入 9ヶ月程度の賞味期限がある
販売までの期間もあるのでこれより短くなることもある

非常時にはあらゆるものが不足しうる。食料はその際たるものであり、非常時の栄養源には十分に確保すべきであるが、一般家庭で専用の非常用食品だけで食料を十分に確保するにはかなりの費用がかかり現 実的でない。したがって一般家庭で食べられるものの中で保存性の良いものをある程度買いだめて消費しつつ備蓄を続けるというのがベターな方法である。

今回はパックご飯について考える。パックご飯は「サトウのご飯」などに代表される手軽なインスタント食品として販売される、すでに炊飯されたご飯であるが、その備蓄品としての性能はどうであろうか。炊飯に時間がかかるなどで急な必要が生じたときのために買い置きをしている人もあるかと思うが、サバイバルや防災の面から評価したい。

災害時、非常時に特に重要になるカロリーの量をまず見ると、サトウのご飯をみると1パック200gで294kcalである。高カロリーとは言いがたい食品であり、高密度のエネルギーを必要とする携帯食にはなり得ないが、長短それぞれ考えると、決して備蓄に向いてないとは言いがたいものではある。

栄養バランスの面から言うと、これは普段食べる米を炊いたものとまったく同じといってよい。つまるところ主は炭水化物であり、少量のタンパクがある程度である。したがって単品で食するのではなく、おかずとなるものを他に用意する必要があるだろう。これは、米だけでは味も単調になるから、食事の楽しみといった面からも重要である。

備蓄する際にはその容積と重量が問題となることがある。パックご飯は炊いた米が入る性質上、水分が多くカロリー比の重量は大きい。したがって移動には適さず、拠点用の保存食としてのみ利用することが望ましいだろう。他のおかずなどとの関連もあって十分な食事として確保するとかなりの重量になることが予想されるからだ。

パックご飯は保存性も高く常温で8ヶ月以上の期間(10ヶ月のものと8ヶ月のものがある様だ)が賞味期限として表示されている。そのため大量に備蓄することもできる。しかし、この期間食べる食事を全部米食とすると、720食ほどになるわけである。これは、経済的に考えてそれほど多くのパックご飯を購入しておくわけにもいかないので、普段の食事に無理なく取り入れて入れ替えをできる量を考える必要がある。

順次入れ替えをするための消費については、私は普段の米の代わりにパックご飯を使用する方法のほかに、セットのインスタント食品とするようにしている。具体的に言えばレトルトのカレーやハヤシライスとパックご飯を合わせると、完全にレトルトで完結する食事となり大変楽で時間がかからない。パックご飯を常食にすると自炊するよりも割高になるから躊躇してしまうが、米の代わりに使う場合も、炊飯を忘れていたなどのときに使用するようにするともったいなくないだろうと思う。

全体を通してみると、パックご飯はそれ単体として利用するというよりも、おかずなどとの組み合わせとして考えるのが適している。缶詰の食品を多く揃えている方もいるだろうが、それらの食品にはおかずとなるものが多くある。備蓄での容積や重量を考えるとどうしても生米ないしはアルファ化米を備蓄する方が有利ではあるが、調理に手間がかからない点でパックご飯は優れている。同様に手間のかからない缶詰やレトルトパックと組み合わせると、あわただしい非常事態の合間にしっかりとした食事をすることができるだろう。

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戦うか逃げるか - 危機的状況の基本戦略

危機的な状況、災害時だけでなく暴漢・強盗などの危険人物と遭遇した際や熊などと遭遇した場合の対処の方針は2つに分けられる。すなわち、戦うか逃げるかである。

この戦うか逃げるか(fight-or-flight)というのは、動物の恐怖への反応として言われたもので、ストレスに対応するときの初期段階のものといわれている。すなわち、危機に瀕しての生存のために刻まれた生存戦略の一つといえるだろう。戦うものと逃げるものの2者に分かれるわけであるが、そうするとそれぞれの個体の生死はともかく全体としてはどちらかが生き残り、種全体は生き残ることができる。

これは生物を種の保存としてみる場合にはまったくもって合理的で良くできたシステムであるが、個々人の生存を確保するサバイバルを考える場合には邪魔になりうる本能ということもできる。生物の根源として刻まれている部分からのある種命令じみた感情は、時に焦燥感を煽り、理性から外れた不合理な行動に結びつきやすくなる。確実に生き延びるためには状況に応じた冷静で的確な判断と行動が求められるが、時に正常な判断が下せない事例が散見されるのはこういったストレスへの反応があるからである。

さて、そういったことで、非常時に冷静さを保つことは重要となってくるのであるが、生物としての本能といってもいいこの反応をどうやれば抑えることができるだろうか。実のところこれは知識だけではどうしようもないことである。もちろん、ある程度の心構えはしておくことはできる。非常時に焦りや不安から正常な判断ができなくなることを理解しておけば自分が正常でないことを自覚することは可能であろう。しかしながら、そこから冷静になり正常に復帰するのには時間がかかる。とはいえ、生存のためにある程度の対策はしておきたい。

知識だけでは不十分であるならば、経験をつむための訓練を行うという方法がある。非常事態への訓練はそういった個々人の冷静さを保つ点で効果がみこめるだろう。非常時における手順の確認と訓練は、同時に心の準備もさせるものであって、訓練の範囲内で行ったことであれば冷静さを保ってくれる効果がある。また訓練に無いことでも、十分な訓練をつんでおけば精神的ショックも少なくなり、思考能力の復帰は大幅に早くなる。

もちろん、訓練の手順に縛られるようなことがあってはならない。訓練は非常時に不合理なことをしないためにあるのであって、マニュアルを守るために訓練をするのではない。かつての震災で、学校において非難が遅れて被害が拡大した例がある。その一方で子供の感性が周囲の人間を助けた例もある。我々の感情は我々に必要があってもたらされるものである。感情のシグナルも冷静に分析し、正しい行動を取れるようにしたいものだ。