災害時の持ち出し品について考える

災害時に備えて多くの人が非常用持ち出し袋などを用意して備えている。その内容物について考えてみよう。よく売られているセットのものは、過不足なく、しかも安価にとはなかなかいかないもので、付け足したり不要と思うものは除いたりする必要がある。自分に最適な、そして予算にあった装備を整えるには、自らが1つずつ選ぶことが必要になってくる。

備える順番としては絶対に必要なものをまず揃えた上で、あると生存に有利なもの、快適になるものを揃えていこう。大抵の方は予算に限りがあるであろうから、少しずつ、できるだけ安価になるように揃えられるように心がける。

今回はひとまず、大まかにどんなものを用意するのかというのを簡単に紹介しよう。

絶対に必要なもの

絶対に必要なものとしては、

水(及び浄水器)・服(下着・靴下等を含む)・靴・ライト・メガネ・持病の薬

が挙げられる。これは、直接生命にかかわる、もしくは避難やその後の活動にきわめて重要な物資、装備である。特に持病の薬は避難所等に行っても備えられていることはないので必ずもっておかなければならない。

重要であるもの

絶対に、とは言わないまでも重要なものとしては、

身分証・携帯電話・ラジオ・手袋・金銭・食料

などがある。あまりかさばらないものが多いので、できる限り持ち出せる形で身の回りに置いておくようにしておきたいものである。

あると便利なもの・快適なもの

他にも便利に使え、なくても何とかなるけれでもあった方がいいというものがたくさんある。挙げていくときりがないが、思いつくものを列挙すると、

カセットコンロとガス・鍋・寝袋・ロープ・虫除け及び殺虫剤・各種医薬品・携帯トイレないし簡易トイレ・包帯・さらし布・針と糸(裁縫用具)・アウトドア用品(テント等)・発炎筒・スコップ・手回し発電機などの発電装置・調味料・バケツ・工具類

等々、かなりいろいろなものが挙げられる。また、このほかにも各人において欠かせないものやあると便利なものは異なってくることから、重量と容量を見ながら揃えておきたい。

各々の事情・ポリシーに応じて追加するべし

上に挙げた物品はあくまで一例である。使いこなせるかどうかや必要と感じるかどうかは人によるだろうと思われる。それぞれの物の詳細についてはいずれまた解説するが、基本的には生存に直結するところ意外は自分の譲れないところ、災害時でも我慢ならないところを満たすように備えていっていただきたい。

Bug Out Bag 海外の3日間用非常持ち出し袋を見てみよう

災害用に非常持ち出しようの袋を準備し、いろいろと中につめている人は多いだろう。これは災害、特に地震が多い日本ではかなり浸透してきているが、何も日本だけではない。海外でもバッグに色々と備えている。

英語でbug out bag と調べると、いろんな人の持ち出し袋の紹介を見ることができる。bug out bagというのは、這い出るときのバッグってことで、おおむね日本の非常用持ち出し袋と同じと考えてよいだろう。日本のように銀色のセットとして売られていることはないようで、大抵自作でアウトドア用のバッグに色々とつめている。

様々な人のバッグを見ると、その人が必要と思っている物や、かけられる金額、装備の重量や容積への考え方が違って面白い。人によってガラッと装備が違ってくる。したがって自分にぴったりの装備を探すには色々なものを見て自分に必要な装備をピックアップしていく必要があるだろう。

大体は英語であるが、簡単な単語が聞き取れればおおよそのことは分かる。今日紹介するものは3日間を想定した装備である。基本的なサバイバルキャンプの用品と食料をセットにしてある。紹介されている中で、私がこれはと思ったのは靴下である。さらっと紹介されているのであるが、靴下は忘れられがちだが重要な装備だ。なんらかの理由で足が濡れたときに濡れたままで居ると冷えて、また水でふやけて塹壕足と呼ばれる状態となったりする。そうなるのはかなりよろしくないため、代えの靴下を用意して足を乾燥させるようにするのである。

他にも細々とあるから、全体を眺めてみて欲しい。ざっくりとでもどんなものが含まれているかを見ていくことで、自分の必要とする装備も見えてくるだろう。

備える人々 - プレッパーズという人種

このsuvtechは地震や遭難といった、一時的な危機を生き延びることから、人類社会の滅亡後にも生き続けるところまで対応できる技術を求め考えている。社会の崩壊というと若干大げさに聞こえるかもしれないが、例えば冷戦時代だと核戦争による地球滅亡はありえる話として広く言われていたし、現在でも新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)などでの危機が言われている。

日常が終わるかもしれない可能性を聞いたとき、楽観的に考える人と悲観的に考える人に分かれるかと思う。おおよその人は今の日常が続くのだと楽観的に構えるだろう。

一方で、悲観的に、つまり、日常が崩壊することが実際にありうるのだと信じる人々もいる。そういった人々で、破滅の危機に際して、あきらめるのではなく、立ち向かうことで不安と絶望を克服しようとする人々が居る。そうした人々をあらわす言葉がプレッパーズ(preppers)である。

プレッパーズというのは備える人々、ということである。prepareする人々というわけだ。

彼らは食料を備蓄し、水を確保し、頑丈な家に住み、燃料・電気等エネルギーの調達手段を整備する。おおよそ日本にも見られる災害用品を集める人は、プレッパーと呼んでもよいかもしれない。災害の多い日本では3日くらいの備蓄はよくされているし、意識の高い人はより長期間自活できる物資と装備を整えているだろう。

一方で、熱心な人々は、ともすればやりすぎとも見れる備えをしている。2週間の食料なんてあたりまえ。食糧自給のために農園をつくることだってある。市販の備蓄食料はお金がかかるし何が入ってるか分からないから自分で作ってるって人も居る。水だって雨水を集めたり、井戸や川から水を汲み浄水するシステムを作ってたりする。発電機だって準備するし、薪を使って発電する装置を作る人も居る。そして、弓や罠なんかのハンティングの技術を習得し、また格闘技や銃器の扱いなんかも練習する。

こういった人々は本当にやりすぎか、というと実はそうでもない。人間の社会が真に崩壊したとき、実はこの程度の備えでは足りないくらいなのである。ここまでの準備をしても、施設・装備を失うリスクや略奪者の存在が生存を脅かす。実のところ、社会の庇護というのは大変大きく、考えれば考えるほど現代人は社会インフラと法の執行機関に守られていることが分かるのである。

だが、こういった行為が無駄なわけではない。おそらく、こういった備蓄をしている人の方が、そうでない人より長く生きられる可能性は高い。一部地域だけの大災害のとき、備えがあれば乗り切れることは多いし、世界滅亡的な状況であればなおさら重要になってくる。何もしないよりは断然よい。そして、最後には備えることを通して得た知識がプレッパーズの命を守るはずである。

プレッパーズは災害などの各種の危機の不安に対抗しようとする人々だ。平和を求めるなら戦いに備えよ、と古代ローマの言葉にもある。テレビ番組に取上げられる人々のように入れ込まなくてもいいから、少しくらいは備えてみてはどうだろう。

 

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DVDはかなり入れ込んでいるプレッパーズのケースを紹介している。が、大体の場合は足りない部分を多く指摘されている。それほど最悪のケースへの対策は難しい。だが、ある種の部分で極めている人々の話なので参考になる部分は多い。(DVDは日本語版が見当たらない。映像機器に詳しくない人は再生すらできない可能性があるので注意されたし)