焚き火を楽しんで知ろう

焚き火というのは単純であるが奥が深いものだ。

使う薪や発火具、火口に焚きつけの具合によって火のつきかたは変わってくるし、また木の組み方や石などでのかまどを作るかどうかなどのことによっても違った感じになってくる。もちろんダコタファイヤホールなどの特殊なやり方をしたり、専用の器具を使う場合もある。

焚き火の形は数多く、一定の形は無いように思われるが、多くの火を見ていると根幹は一定のもののように思われてくる。

燃焼の原理があり、物理法則がそこに存在するから、焚き火もその法則の上にある。言葉では示しきれないが、ぼんやりと焚き火を見て、たくさんの焚き火を知れば解ってくることがある。始めその意味が理解できなくても、ぼんやり解りだしてくる。これは、言語の習得に似ているような気がする。

とまぁ、難しいことはここまでとして、いくらか焚き火の動画を見てみよう。どの動画も焚き火をしている。日本では地面に直接触れる形で焚き火をできる場所は(キャンプ場などでは)ほとんど見かけなくなったが、こういう自然の中の火というのは楽しいものだ。

楽しんでみているうちに焚き火の真髄のひとところにでも触れられれば幸いだ。



脱水症状を知る

夏が来るとよく話題に上るのが脱水症状の話。

脱水は恐ろしいものである。水が無ければ人間は生きていけないのは皆さんご存知であると思うが、その前段階の症状として脱力・眠気・頭痛などから、幻覚や精神錯乱などの症状も起こし、果ては昏睡にいたる。脱水症はそのまま放置すると死にいたる病なのである。

脱水症状は暑い時期に汗が大量に出るなどして起きると一般的には思われているが、水分摂取量が少ないときはどんな時期でも気づかないし、乾燥していれば汗が出たような感覚もなしに大量の汗として水分は消費されてしまう。

こういったことから、自分の体からどれだけの水分が出て行ってしまっているかはあまり正確に把握はできないから、脱水の初期症状をしっかりと見極めて早めに対処するのが肝心である。

脱水の初期症状

脱水の初期段階の目安として

  • のどの渇き
  • 食欲不振
  • 尿が出ない
  • 尿が極端に色が濃い

こういう状態であれば脱水を疑ってみるとよい。

特に、排尿の回数とその色はカウントできたり視覚的に判定できるので自分の日常の状態をよく覚えておくとよいだろう。尿は必要ないものを排出するために出すのであるが、水分が少ないときは、生命維持に必要な水分を節約しようとするから、回数が少なくなり、少ない水で不要物を排出しようとするから濃い尿となってしまう。

重い脱水の症状

脱水症状がよりひどい場合には

  • 頭痛
  • 眠気
  • 倦怠感
  • いらつき

などの精神・神経の症状がでてくる。また、

  • 皮膚の乾燥
  • 口の中の乾燥
  • 体温の上昇

などの水分の減少による体の防御機能の不全が原因の症状も現れる。

こういった場合は症状が重ければ病院に行ける場合は行って点滴なりで治療したほうが回復が早い。

まだ軽い症状であれば水分補給などでよいだろうが、そもそもこのような状況になる前に初期症状に気をつけて早めに対処するべきだろう。

汗以外にある脱水症状の原因

脱水症状は暑さによって汗が出たりするだけが原因ではない。たとえば下痢や嘔吐が原因で脱水症状に陥ることがある。また、高熱時など呼気からも多くの水分が排出され、またその際は汗も出るから余計に水分が失われる。

脱水症状への対処法

脱水症状の対処はまず第一に水分の補給であるところは皆さんお分かりになる通りである。が、大量の水のみを摂取する場合も不具合があることを頭に置いておいて欲しい。

体内の水分は電解質(イオン)が混ざっており体はそのバランスを保とうとしているわけであるが、水ないしは電解質が体外に多く出てしまった場合にはそれらを補給する必要がある。

軽い暑さなどで水分が出る場合にはさほどの電解質は出ない(体が電解質を体内にとどめておける)ので、水を飲むだけで回復できるが、ひどい暑さやきつい運動での汗や下痢などの脱水の場合では、多くの電解質も失われるので水のみでは逆に血液中の電解質濃度の低下を招く。

血液中の電解質濃度が低下することによる症状を水中毒といったりするが、これもまた命にかかわり、水を飲みすぎた女性が死亡する事故も起きている。(ただ、そうとうな量の水ではあるが)

であるからして、バランスの良い電解質が含まれているほうが回復にはよい。また医学的にある一定の濃度の塩分と糖分の含まれる水のほうが吸収がよいといわれている。よって、まったく純粋な水を摂取するより、脱水時においては、そういったものの含まれている飲料を取るというのが良い。

こういうバランスの飲料は多くはスポーツ飲料として売り出されているからかなり手に入れやすいと思う。ただし、健康的な人間が激しい運動をしているわけでもないのにとるのはやや濃いので若干薄めて摂取するのがよいという意見もあるから、自身の脱水の状況を見ながら飲むとよいだろう。

一方で、病人のために良い濃度のバランスにした飲料も経口補水液とよばれて市販もされている。これは本当に病人用であり、重めの脱水にこれを用いる。価格も量販されているスポーツ飲料と比べて安くないので、状態の軽くない場合にのみ使うとよいだろう。

脱水は早めに対処し、症状が出ないようにすることが肝心

脱水症状はその原因が水分の不足であるから、暑さ程度が原因ならばこまめな水分の補給で症状など出ずに対処することができる。

脱水症状に陥ると、思考の低下などもあるから水の得られない環境でなければ可能な限り水分を補給するべきだ。脱水症状は病気であると心得、始めから症状を出さないように予防しよう。

コード(紐)の種類と利用法の違い

紐や縄の類のことを英語でcordageというのであるが、その種の紐類は単純な物ゆえにその用途は多岐にわたり、またその種類も多くある。

一般生活でよく使われる物ではビニールロープやタコ糸などであろう。また、キャンプでは張り綱にガイロープなどと呼ばれるロープを使ったりする。こういった通常の場合に使う際には、価格と機能から、それぞれ専用の物を使うことが多いと思う。

一方でサバイバルでは道具の運搬や調達に制限があるので、ひとつひとつの多機能性や応用可能性が重要になってくる。その点でサバイバルにおいてよく使われ、重要であるのはパラコードと麻紐であると思う。

強度と汎用性に優れるパラコード

パラコードはもともとはパラシュートに使われるロープで、主にナイロンで作られている強度に優れたロープである。その強度はミルスペック(アメリカ軍の規格)に準拠した物で日本でよく流通している物であれば250kgの過重に耐えられる程の耐久度であり、その太さもだいたい4~5mm程度で手ごろである。

その強度であるから、何かを吊るしたり引っ張ったりするのに使うのにうってつけである。単純な結びではほどけやすいが、きちんとしたロープワークの知識があれば様々な用途のロープとして重宝する。

また、パラコードはその構造が7本のナイロン糸からなる芯の部分と編みこまれた外側の部分とからなり、芯を抜いて分解することで、中の糸を他の用途に使うこともできる。釣り糸に使ったり、繕いものなどのための糸に使ったり、網を編んだりすることもでき、その用途はアイデアと技術でいかようにでも広げられる。また、残った外側のチューブ上の網紐も靴紐などに利用できたりするので無駄は無い。

パラコードはナイフなどで切ることができるが、やはりロープであるから、切った端をそのままにしておくとほつれていってしまう。ロープのほつれを防止する作業はたいてい面倒なのであるが、パラコードでは手軽に行うことができる。パラコードの場合はプラスチックでできているので、熱を加えると融けるから、端を火であぶるなり、熱した金属で圧着するなりして、ナイロンの糸を融かして1つにくっつけることで末端を1つに止めることができる。

このような強度の高さ、扱いの容易さから、パラコードはサバイバル用品として重宝され、またその素材の性質からくる色の多さからファッション的なサバイバル小物としても多くが出回り、手に入れやすいものになっている。

燃えやすい麻紐、熱に強い麻紐

一方で、麻紐は古典的であり、始まりの時期を調べるのが大変なほどに昔からある。農業やその他紐の必要なものに一通り使われた歴史があるのではないだろうか。もちろん、昔から、野外活動をする人も使っていたことは想像に難くない。

その構造は単純に撚りをかけられた紐であり、素材は天然の植物の繊維からできている。そして、これがサバイバルに大変重宝する性質なのである。

麻紐は構造が単純であり、紐を手でほぐすことが容易である。また、植物の繊維でできているから、乾燥している場合には大変燃えやすい。したがって、よくほぐしてふわふわの繊維状にしたとき、火口(Tinder 着火するとき火種を乗せて燃え上がらせる燃えやすい物)によいのである。

また、麻紐は植物繊維であるから、パラコードと違って熱により燃えることはあっても融けることは無い。パラコードで鍋などを吊るすと熱によりやわらかくなってしまうことがあるが、麻紐ではそのようなことはない。したがって燃えないまでも、高温になってしまうところに使うには麻紐がよいのである。

加えて言うならば、麻紐は天然素材であるから、森の中などに残してしまっても、自然に分解されるから環境負荷が小さいとされている。キャンプなどに行き、練習で工作するには良い素材であると思う。

新しい素材か古い素材かにかかわらず性質を見極めて使うべし

パラコードの強度には同時に熱可塑性(熱によってやわらかくなる性質)が伴い、麻紐にはそのような可塑性は無くとも比較しての強度の低さがある。それぞれに長所と短所があるから、可能であれば両方を備えて状況と必要に応じた使用ができるようにしておきたいところである。