工作の大いなる味方 - ダクトテープ

アメリカの工作についてみていると頻繁にDuct Tapeというものが出てくる。このダクトテープは、粘着テープの一種であり、強い強度と粘着力そして耐水性をもつテープである。典型的には銀色のテープなのだが本場のアメリカでは(もしかすると、本物のDuct Tapeではなく類似品かもしれないが)たくさんの色や柄があり、工作や修理をする人たちに大いに好まれている。

さて、ここでサバイバルの話である。サバイバルではその場であるもので間に合わせのものを作る、もしくは壊れている物を応急的に修理して利用するということがある。修理や製作には色々な手法があるわけであるが、その最も簡単な方法の一つが、テープで張り合わせたりぐるぐる巻きにしてしまうという方法である。例えばバケツが割れたとき、その両面を防水性のあるダクトテープでふさげば利用可能だし、またビニールシートを張り合わせて簡易のテントを作ったりすることもできる。材料を用意し、工夫を重ねれば靴を作ったりすることも可能だ。

サバイバルでは不足を補う努力が不可欠である。修理や工作に親しんでおくことと同時に、このような便利な資材を持っていれば活動の助けとなることは間違いない。

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穀物を栽培するということ

サバイバルを考えるときに、短期・中期・長期で備えるものや目を向ける観点が異なってくる。短期ではまずもって脱出と安全確保につきる。中期ではしばらくの行動を可能にする食料や飲料、そしてシェルターの確保が検討の範囲に入ってくるだろう。長期ではそれらが大規模になり、また医薬品や各種の道具について目が行くようになるはずである。そして、それらを超えた超長期を考えるとき、食料や飲料、そして医薬品や衣料品等の生産まで視野に入れることになる。

大規模破局に備えるプレッパーのうちには食料品そのものを確保するだけにとどまらず、その生産方法を確保するものも多く居る。食料の確保をするときに、保存と他の場所からの回収、そして自然からの採集だけでは安定した供給を保つことは難しいからである。太古の昔に食糧生産を開始して文明を大いに発展させた歴史をかんがみるに、食料供給の安定は人間的生活の基礎である。そこで、農業を行う準備をしておくわけであるが、さてその作物は何がよいだろうか。

難しくないもので栄養が豊富なものではトマトなどがあるが、保存方法を確立していなければ季節が限定されてしまうし、芋なども同様である。家庭菜園で広く行われているものはおおよそ野菜であり、長期に保存できるものは少ない。安定したカロリーの供給のためにはやはり穀物の栽培を目指すべきだろう。穀物が人間の食の基本になったのはその保存性の高さによるものである。

穀物は日本では米がメインであるが、大量の水を必要とする。田んぼがあり、水路やため池が無事で利水が出来れば栽培可能であろう。日本の文化にも関係して、かなり身近な植物であるから、簡単にでも学習すれば栽培は(とりあえずは)可能である。しかし、それら受け継がれてきた財産が無事とも限らない。そういったときはより苛酷な場所でも育つものを考えなければならない。例えば麦やそばである。

麦・そばは畑作でよいから、畑を耕し、種をまけば収穫を期待できる。そばは春や夏にまいて2~3ヶ月ほどで、麦は秋ごろにまいて翌年春から初夏に収穫である。しかし、農村に行けばうなるほど見つかるだろう稲の種籾と比べて種が見つかりにくいだろうから、種を備えておく必要がある。

私が実践しているのは麦の栽培である。小さな庭で大麦と小麦、そして燕麦を栽培しており、それぞれ扱いやすさが違うが、非常時にはかゆにしてしまえばさほど作業の必要もなく食することが出来るだろう(味はともかくとして、カロリーが取れるということである)。出来た種子を種籾として確保すればまたこれらの作物は栽培は難しくないが、しかしながら容易であるとも言いがたいから、何度か栽培を経験しておくことも重要である。

農業は文明の基礎である。普段はなんら農業と関係ない人も、少し目を向けて、出来れば実践してみれば、食料への不安をいくらかは退けることが出来るだろうと信じている。

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重ね着する防寒パンツ

サバイバルにさいしては寒さというのは強力な敵である。直接的で致命的なものとしては低体温症があるし、凍傷もかなり危険であるというのはまず一般的に知られるところである。また同時に寒さが免疫力の低下を引き起こすということもあり、中長期的にも危険なのが寒さ、そして体温の低下である。

さて、そういった寒さ、そして体温低下を防ぐためには一つには暖房、アウトドアでは火を焚くなどの行為もあるが、移動中や火が焚けない状況では厚着をすることが一番の解決法になるだろう。冬になると防寒着を着込むことは日常的にも行われていることであるが、そういったことはサバイバルでもやはり重要で、防寒のための衣類を備えておくことは重要である。

防寒着を揃えるときによく注目されるのはフリースジャケットやダウンジャケットなどの防寒性能の高い上着である。一般的に広く販売されている物であるから手軽に揃えてもら得ると思う。これらは上半身を防寒するものであるが、その一方で忘れがちなものに下半身の防寒がある。特に暖かい地域になるにしたがって下半身の防寒は忘れられがちである。

温かな地域ではズボン・アウターパンツの類は重ね着するものという意識は薄いが、しかし寒いときにパンツを重ね着するというのはかなり効果のある方法である。当然のように上半身で重ね着するのと同じように、下半身も重ね着することで効果的に体温を保持することが出来る。また低体温は体の各部位に限定しても運動機能の低下などの症状を起こすので、サバイバル時の運動能力の低下を防ぐ観点からも各部位の防寒を気をつけなければならない。

個人的な話であるが、先日、重ね着用に防寒用アウターパンツを購入した。日常でもって防寒のために使用して、その性能を体感しているところである。室内着の状態では凍える寒さが、一枚重ねる枚数を増やすだけでかなり快適に過ごすことができるようになっている。日常で装備の機能を体感して性能の多寡、限界を知っておくことも重要であろう。

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