地震に合って10秒でするべきこと

まずは身の安全が第一

地震が起きたとき、一番に優先するべきことは身の安全の確保である。突如大きな揺れに襲われた場合にできることはわずかしかない。身の回りのものを使い、まずは自身の安全を確保するべきである。特に守るべきは頭部で、頭に落下物を受けて気を失うなどがないようにしよう。

寝ているときならば枕や布団で防御し、机があれば机の下、机が入りにくいなら椅子やクッション、キッチンでは御盆や空の鍋、風呂では桶等、その場その場の丈夫なもの、クッションになるものを利用しよう。

前兆現象・アラーム等で早めの行動を

突然に大きな揺れに襲われた場合には身を守ることに専念した方がよいが、場合によってはゆれる前に準備することもできる。地震動は大きく2つに分けられ、大きな揺れの前に初期微動と呼ばれる小さな揺れが感じられることがある。この前兆現象を感じてある程度の事前行動を行える。また、現在では地震の前兆を察知して警告するシステムも多く存在するのでそのアラームを聞いて行動することも可能だ。

事前に行動できるといっても、その時間は数秒や長くても十数秒くらいと思った方がよいだろう。その間にできることはずいぶんと限られるが、それでもいくつかやっておきたい重要なことがある。

扉や窓は揺れで開かなくなることも

まずは扉や窓、何でもよいから脱出口となるところを開けておくことである。大きな揺れが起きた場合には扉や窓の枠がゆがみ、開かなくなることがある。そういった場合に外に出るのは大変に手間がかかる。地震後に十分に時間が取れる場合にはさほど問題にはならないかもしれないが、隣家・隣室から出火したり、今まさに居る建物が倒壊しそうなときには一刻の猶予もない。すばやく脱出できるようにできる限り脱出口の確保をしておきたい。

非常用持ち出し袋は確保したい!けど持ち出すことをこだわり過ぎてはダメ

また、余裕があれば身の回り品、非常用の持ち出し用品の確保も合わせて行いたい。メガネや常飲している薬を準備しておくことはもとより、車の鍵や倉庫の鍵などがあれば回収しておきたい。非常用の持ち出し袋などは、余裕がなければ置いて出る覚悟も必要である。余裕があればもっていた方がよいことは確かであるが、まずは身の安全が第一である。大きな揺れの前に気づくことができたらこれらのものもなるべく確保しておきたい。

そのときどうするか イメージトレーニングをしておこう

地震のときは一瞬一瞬が貴重である。揺れがおきたとき、優先順位を確りと決めて想定しておけば貴重な数秒にすばやく行動することができる。様々な場所での緊急時の行動を想定し、心の準備をしておくことが生死を分ける判断を正しくするための一番の方法になるだろう。

備蓄食料には質も要求される

災害時の備蓄でよく言われるのが食料の備蓄であり、世間でもてはやされる非常食であるが、いままでに述べているように重要度としては軽視できないまでも比較的小さい。しかしながら、そうは言っても必要であることに変わりは無く、十分な蓄えがあるにこしたことはない。

世に言う「非常食」というものを備蓄食料として準備することが多いと思う。この非常食は長期保存をするように製造をしたものである。3年とか5年とかの賞味期限がつけられていたりするので、そのスパンでの買い替えが必要であるが、頻繁な更新が無くてよいと思われているようである。

しかし、その味は実のところさまざまであり、実際に食して確かめてみるしかない。もったいないと思われる方は更新時期に食べてみるのもよいかと思うが、そうとうがっかりする味のものもある。

ほんとうに、これはものによって様々である。実際に食べると、十分においしいもの、そこそこ食べられるもの、味は悪いが食べられないことも無いもの・・・なかには吐き気がして食べられないものもあった。災害時にハズレを引いたらどれだけ気落ちするかを考えると余裕のあるときに一度は実際に食べてみるべきであろう。

優先度が低くとも人は食物を必要としている

サバイバル3つの3において、最後の3は食料の3です。食料は3週間得られないと死んでしまうということである。これは、他の2つに比べて切迫していないように見えるが、決しておろそかにしてはいけないのが食料なのである。

食料が得られなくとも体温を保持でき水が得られるならば、3週間は生存じたいはできるかもしれない。しかしながら、断食等に慣れていない場合、食料が得られなければ短期であってもさまざまな症状が出る場合があるのである。空腹は不安感を煽り、心を苛立たせ、低血糖症状はめまいなどの症状を引き起こす。これにより正常な判断、冷静な決断ができないようになると、突発的・衝動的な行動に陥りがちになり効率的な生存戦略が取れなくなってしまうのである。

また中期的に見ると、栄養の不足、特にたんぱく質の不足は筋肉の分解を誘発し、体の痛みや筋肉の衰えなどが生じることとなる。疲れが取れず、体が思うように動かなくなると、新たに水や食料を得ることが難しくなり、積極的なサバイバルが不可能になるだろう。

このように、食料はサバイバーの活力であり、また精神安定剤であり、身体を維持するための薬のようなものでもあるため、サバイバル状況下では余裕が無いとき以外は多少の食料は持っておけるようにしておきたい。

ただ、最近は手軽な栄養食品が多くあり、携帯していてもさほど違和感もないので、そんなに意識しなくとも非常時の栄養食とできる食品を持ち歩いている人も多いと思うので、そういった方は他の物資に気を使っていただきたいと思う。