羊羹って実はすごい非常食

お茶のお供として存在感の大きい羊羹(ようかん)はサバイバルのお供としても非常に能力が高い。サバイバル時の食品として重視されるのはそのカロリーのみならず、保存性や食べるのが容易であることなどがあるが、羊羹はかなり優秀な食品である。

カロリーは100gでおおよそ300kcal弱といったところである。油脂を含んでおらず乾燥もしていないので重量あたりのカロリーは少し劣るが、逆に言えば油脂を含まず水分を含んだ上でこのカロリーは高い方ともいえる。一般的な一口羊羹で言えば一本50g程度なので140~150kcalとなる。もちろん一日の必要栄養量を全てとろうとすると断然足りないが、活動のためのエネルギーをとるための軽食としてはかなり優秀である。

また、保存性もかなり高い。一般的に売られている製品でも1年ほどの賞味期限が設定されている。これは消費期限ではない。つまり品質が落ちない期限が1年であり、さらにそこから1年、つまり製造から約2年程度は安全に食べられるといわれている。さらに、非常用に保存性を高めている製品も存在する。包装等を改良し5年の保存を可能にしており、備蓄をさらに容易にしている。

このカロリーの高さと保存可能期間の長さは、羊羹の中に含まれる糖分が大きく影響している。羊羹の6割程度が砂糖であり、例えばジャムや砂糖漬けが長持ちするように、羊羹もまた長持ちするのである。砂糖が保存料として働くのは、原理的には塩で保存するときと似通っている。砂糖や塩が細菌の増殖に必要な水を奪ってしまうので腐敗しないのである。よって特に保存料を加えなくとも砂糖の含有が多い羊羹は長期の保存が可能である。

また、砂糖が多いという羊羹の特質は保存だけに効果を表すわけではない。糖分は脳のエネルギーとして活発に利用され、また甘い味は精神の安定にも大変に役立つ。疲れたときに甘いものが欲しくなるとよく言われるが、エネルギーの補給に効率が良い糖質が取れる羊羹はこういった面でも軽食として優れている。

羊羹は乾いた食品ではないから、食べたときの感触もよい。乾燥した食品は口の中の唾液を奪い、食するのに水が欲しくなるが、非常時に水が多く手に入るかは分からない。一方で羊羹は水分がなくとも口に入り飲み込みやすい。また甘いので食欲がなくとも食べやすいというところもある。

このように羊羹にはいくつもの優れた点があり、非常食としてかなり優秀なのである。日本では古くからお茶のお供として食べられてきた羊羹であるから、少しずつ消費して入れ替えながらの備蓄もそう難しくないだろう。羊羹のことが嫌いというわけではないなら少し備えてみてはどうだろうか。

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効率的な湯沸しを - ジェットボイル

焚き火を使わない場合には、ガソリンやアルコールなどののストーブ(コンロ)を使って調理をするのがアウトドアの定番といったところだが、ここ最近はその定番中の定番としてガスストーブ(ガスバーナー)がある。

カセットコンロの使用できるバーナーや、OD缶と呼ばれるアウトドア用のガス缶を使うものなどがあるが、どちらも即座に使用開始でき、利便性はすばらしく高い。またガス缶の入手性、保存性も高くなってきており、かなり使いやすいものになっている。

一方で、(ガソリン等の燃油、アルコールでもそうだが)ガスではその燃料に限りがあることが問題となってくる。燃料の入手性を考えると薪が手に入る状態では薪を使った方が有利に思えることもある。しかし、煙が出ないなどの利便性を考えるとガスも捨てがたい。また、雪山登山などの薪を燃料にしても限りがある状態では木を燃やそうが燃料を用意しようが変わらなくなるので、断然ガスやその他燃料が良い。むしろ薪の入手できないこともあるから燃料を用意するほかない場合もある。

そうしたことを考えると、ガスを利用したいわけだが、その場合は燃料の効率が大変に重要になってくる。少しの燃料で効率よく調理できれば燃料を多く持たなくとも十分なのである。

一般的に、アウトドアでガスを使い調理するとき、その主な用途は湯を沸かすことである。炊飯でもそうであるし、スープを作ったり、お茶やコーヒーを淹れるときも湯を沸かす。麺類をゆでたりインスタント麺を作るときも湯は必要である。したがって湯を効率よく作ることができれば調理の効率はぐんと上がることになる。

そういう目的で、湯沸し用の鍋が作られている。ジェットボイルというこの鍋は底に熱交換器(効率よく熱を伝えるための構造)がつけられていて、ガスの火の熱を効率よく鍋に取り込んでお湯を作るエネルギーとするのである。

ありそうでなかったこの製品はいくらかバリエーションがあるが、どれも効率よく熱を利用するように作られている。専用のバーナーもセットであるのでアウトドアのガスバーナーを持っていなければ調理の選択肢を増やす点でもひとつ考えてみてはどうだろうか。

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単純だけどできるやつ - オイルマッチ

サバイバルで、もしくはアウトドアで、暖をとり調理をし水を沸騰させるのに火を熾すが、その着火法はいろいろとある。摩擦式発火法で行ったり、ライターやマッチを使ったり、ファイヤースチールなどで火熾ししたりすることができる。

一番手軽なものはライターやマッチなどの火をつけて利用するものだ。その火を燃えやすいものに引火させて焚き火を開始するのである。摩擦熱で発火させたり、火花を利用して着火する方法ではそれぞれ利点はあるもの手間がかかるものである。

したがってライターやマッチを持っておくのがよいということになるのであるが、それぞれ欠点もある。ガス式のライターは木への着火などの際に長く火を出し続けていると壊れてしまうことがあるし、オイル式では不意のときにオイル切れの心配がある。また、ライターは手軽さで群を抜いているが、焚き火のとき焚き火構造物の内部に火を放つ用途には向いていない。マッチは焚き火の木を組んだ中に放り込むことができるが、マッチは濡れると使い物にならず、また濡れに強いものでも数に限りがあり、あまり多く持ち歩くことはできない。

それぞれ長所と短所があるが、独特の構造でそれを合わせた特徴を持たせたものもある。オイルマッチと呼ばれる独特なオイルライターである。メタルマッチ、AQマッチという言われ方もするこれは、オイルライターとマッチの特徴を合わせたようになっている。

オイルマッチはオイルタンクの蓋の内側に筒が付いており、その先にライターの芯と金属板が付いている。蓋を閉めるとこの筒と芯がオイルにつかり、オイルが芯にしみこみ、これを取り出して側面についているフリントスティックにこすりつけて火花を出してオイルに着火する。手軽に火がつき、また棒状であるため、これを焚き火構造物に差し込んで着火させることもできる。

正規な利用法だけでなく、変則的な利用もできる。側面のスティックはオイル切れのときも火花を出すことができるので、ファイヤースチール的な使い方ができる。また、オイルは綿にしみこませているわけでないのでタンクから出して振りかけて着火させるなどができる。単純な構造ゆえに幅広く使えるポテンシャルがある。

サバイバル時では色々な使い方ができることが重要だ。オイルがなくても利用できる可能性のあるオイルマッチは野外活動で活躍する可能性を秘めた装備である。

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