炎の熱で発電するBioLite

電力というのは、純粋に自然を楽しむアウトドアには不要のものであるが、災害時では通信や情報収集、また照明などで重要になってくる。様々な電子機器があるが、それらの電力をどう確保するかはなかなか難しい問題である。

日中であれば太陽光発電などの選択肢があり、また手動の発電機などもある。しかし、手動では手間がかかりすぎるし、太陽光発電は曇天、雨天時には能力が大幅に低下し、また夜間には利用できない。

一方で熱を使った発電装置が存在する。BioLite(バイオライト)といって、火を焚きながら発電ができるというものである。これはディーゼル発電などのエンジンを使った発電ではなく、熱電対と呼ばれるものを使った発電である。火を焚くことで発生した高温と周囲の温度の温度差で発電するものだ。

このBioLiteは専用のウッドストーブ(木を燃料とする燃焼器具)を使い、発電ユニットを装着することで発電をするが、同時にユニットの冷却ファンがウッドストーブ内に空気を送り込むことによって効率的な燃焼もサポートする。同様にファンを使い風を送り込む燃焼具もあるのだが、電池式であり発電機能はないので、電池が切れると使用不能になる。BioLiteも内部の充電池でファンが駆動するのだが、火を焚けば発電した電気で充電するため、電池切れの問題はない。

発電した電気は、前述したように内部の電池に蓄電されるが、発電ユニットにはUSBコネクタがついており、余剰分の電気はスマートホンやタブレットの充電、その他USBから電力を受け取り駆動する機器を利用することができる。USBコネクタを利用した充電地の充電器などもあるから幅広い利用が可能である。

木なんかの燃料は比較的災害時でも手に入りやすいのでBioLiteは安定して発電できる電力源として活躍できるだろう。ただし、重量や大きさの点から一人だけでの利用を想定すると装備を圧迫するのでメリットとデメリットをよく考えねばならないだろう。基本的に吹く数人で利用することが想定される装備を用意するときに発電装備として備えるのがよいと思われる。

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木を瓦礫をガラスをつかむ - 手袋を備えよう

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災害時、様々なものが壊れる。また、様々なものを移動する必要に駆られるであろう。

家の中では家具が壊れたり食器が散乱することもあるだろう。家の外ではブロック塀が倒れたり植木鉢などが割れたりもするかもしれない。不幸にも家が倒壊してしまえば人命救助や物資の発掘で瓦礫を除去する必要もある。

そういったときに一番使うものは「手」である。瓦礫も、コンクリートブロックも割れた食器も手でつかんで撤去する。人間の手は細かく作業でき、非常に強力な道具としてみる事ができます。災害時などは人手での作業の頻度は大きく上がります。

しかし、一方で素手での作業は怪我の危険も増大します。割れた食器で手を切ったり、瓦礫の釘や棘が刺さったり、また、ブロックなどを多く運べば皮膚がすりむけたりする。不衛生なもので傷が付いたり、傷の付いた手で不衛生なものを触るなどすると感染症の恐れもあるのである。

したがって手の保護が必要だ。作業時の手の保護といえば手袋である。作業用の手袋といえばたいていの人は軍手をイメージし、それを準備するかもしれない。だが軍手では不十分だ

軍手は編み物であり、編み目は大きい。つまるところ、軍手は棘や釘、またとがったガラスや陶片などは防ぐことができない。また、一番シンプルな軍手は滑り止めもなく持ち運びの作業についても効率がよいとはいえない。そして、木綿糸で作られる軍手はブロックやレンガなどの擦れる素材には若干弱く、耐久性に難がある。

軍手でもないよりはましだが、どうせ備えるならばよいものを揃えよう。今では手のひらの部分に丈夫なゴムを張った手袋が安価で売られている。また皮手袋もさほど高いものではない。素材としてはゴム張りのものは熱に弱いので、火を扱う予定があればゴムのものだけでなく皮手袋や耐火手袋などを用意するとよい。

手袋は日常の作業も快適にしてくれる。一度軍手からゴム張りの手袋に変えると、庭仕事などの作業ではもう軍手にはもどせないほどである。使った後の収納を非常用持ち出し袋などにすれば非常時の備えと同時に日常を少しだけ快適にできるのではないだろうか。

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手軽に持ち運べる簡易シェルター - ツェルト

シェルターというものは体を周囲の環境から保護するものである。しっかりとしたものであれば山小屋といった家屋や設備であり、もう少し簡便になるとキャンプでよく使われるような山型やドーム型のテントであったりする。また、サバイバルシートや自然物を使って造ることもある。

しかし、行動中に不慮の事態で休息が必要になったときに行うビバーク時には、しっかりとしたテントは軽装で行動している際には荷物として大きすぎるし、自然物やシート等を使ってシェルターを作るのは時間と労力がかかりすぎるのでいささか適するものではない。

そういった場合に便利であるのがツェルトである。ツェルトはビバークテントなどとも呼ばれることがあるが、簡易小型軽量のテントのようなものである。

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防水加工された軽量の生地がたいていはテントとして利用できるような形に縫製されており、内部に入ってビバークすることができる。テントと比べると結露しやすく、また小さいので快適性能では断然劣るが、夜露と風と外気を一定の程度やり過ごすことができる。

ツェルトは軽量で小型であることが求められるものなので、たいていは通常のテントのセットに含まれるような自立用のポールなどが付属していない。したがって立ち木にロープを張ったり、木の枝を立てたりして、テントのように設営する必要がある。が、そうした軽量化により、少しの不便はあるが簡素なものであれば200g程度の重量で非常時用に常時持ち歩くのに適したつくりになっている。

また、テントとして設営せずともある程度の防護性能は発揮する。かぶったり身に巻いたりするだけで、風雨から守られ、衣類としてみると一層増えるので防寒効果も見込めるからである。また、かぶって使うことを基本に考えられたものもあり、そういったものはさらにもまして小型軽量である。

苛酷な環境に放り込まれたときにシェルターが得られるかどうかは生死を左右する問題である。登山はもとより、非常用の準備をするときに一段上の装備を整えようと思う方はツェルトを含めることも検討してはどうだろうか。