色々な種類の浄水器を考える

非常時の水確保の手段として浄水器を持つことをすると思うが、単に浄水器というとその種類はいろいろとある。

今まで紹介し薦めてきたのは、中空糸フィルターという特殊なホース状の糸のようなフィルターを使った浄水器であるが、これは軽量でなおかつ比較的安価に入手することができるので非常時に備えた装備として手軽でよいからである。

一方で中空糸フィルターはフィルター部分の寿命が比較的短いために長期、もしくは大量の浄水にはあまり向かない。家庭用の浄水器には中空糸フィルターを用いている物が多いが飲料用で、また水道水ということもあって寿命が短くないし、定期的に交換することで機能を保っているのである。

中空糸フィルターの他に浄水器といえば、活性炭フィルターやイオン交換フィルター、セラミックフィルター、逆浸透膜などがある。このいくつかは水の性状を改善するもので、大腸菌などの病原体を除くものではない。大腸菌などを除きうるものとしては、セラミックフィルターと逆浸透膜が挙げられる。

逆浸透膜法による浄水は他のどの浄水法よりも純粋な水、純水が得られるが、一方でそのフィルターは繊細で、また浄水するのに大きな圧力が必要となり、大抵は固定式の大掛かりな装置になりがちである。持ち運び式の浄水器としてはほとんど見られない。

セラミックフィルターは近年ファインセラミックの技術が進歩して注目され始めた方法で、大腸菌などの菌のほとんどをろ過することができ、また寿命も携帯式のものを比べると中空糸膜フィルターの数十倍ほどある。

こうしていうとセラミック式のものが大変良く聞こえるが、実は必要に応じてよく選んで決める必要がある。セラミック式のものは第一にセラミックの性能が重要なのであるが、その性能が確実で、また高性能であるようにするにはしっかりした信頼の置けるブランドのものを選ばなくてはならない。いい加減なメーカーであると、例えばフィルターの目が粗いものであったり(菌などがろ過しきれない)、フィルターのセラミックに割れ目があったりすることもある。

またセラミックは衝撃に対して気を使うというところもあるし、重量はポリマーを使う中空糸膜式に比べるとだいぶ重い上に携帯式のものは小さいとはいえ容積もとってしまう。そしてしっかりとしたものは高価である。こういった種々のデメリット及び気を使う点があるが、その長寿命はかなりの利点である。

サバイバル初心者は手軽で安価でどのような装備にいれても負担にならない中空糸式を薦めるのは変わらないが、それから一歩上を目指す場合はより広い目でセラミック式などいろいろな浄水器を検討してみてはどうだろうか。

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極軽量でコンパクト!ぺらっぺらな水筒プラティパス

CIMG3049 (2)水筒の重要性は前回述べたとおりであるが、水筒の難点に、中身が空のときにかさばるという難点がある。ナルゲンのような広い口の場合は中にいろいろと詰めて使うという方法もあるが、それでもコンパクトさを求められる場合には邪魔になってしまうものである。

そんなとき、今回紹介する袋型の水筒がよいだろう。類似の製品はいくつかあるが、有名で信頼の置けるのはPlatypus(プラティパス)というブランドの製品である。耐久性が高く、耐熱温度も90℃と高い。耐久性については、以前に室内で誤って踏んづけても破裂等はしなかったほどである。

この手の水筒の一番のキモは中が空のときにつぶしておけるということである。飲み終わった水筒、もしくはまだ水を汲む前の水筒は大抵はお荷物であるから小さく持ち歩けるのはスペースの節約になる。小さな鞄に入れるときなどは特に重要だ。

CIMG3052くるくるとまとめてゴムバンドででもとめてやれば、極めてコンパクトにすることができる。さらに言えば、柔軟に変形できるほど薄いというのは、軽いということでもある。500mlのものであれば22gという軽さである。ここまでできるのは袋状に成型された水筒ならではのことである。日常でも、飲んでしまったあとは荷物にならないので気軽に水を持ち歩ける。

さて、こういったコンパクトさと取り回しのよさのある水筒なのであるが、それゆえに少しばかり犠牲になっているところもある。それは頑強性とメンテナンス性である。

上で耐久性に優れるとは書いたがそれも厳しすぎない状態においてである。尖ったものが突き刺さるようなことがあれば、数層のフィルムが重なっていても突き抜けることはあり、硬く頑丈なプラスチックのナルゲンや金属の水筒と比べれば破壊や穴あきの危険は大きいといえるだろう。

またメンテナンスに関して、その口が狭く、ペットボトルと同じだけの口しか開いてないので洗浄は大変である。洗浄後に内部を乾燥しようにもその柔軟性があだとなり、少しばかりテクニックの居る作業になってしまう。慣れればなんということもないのではあるが、面倒ではあるので、私は汚れの原因となる様なものを入れるのを避けて、水専用で使うようにしている。

飲み方についても少し癖がある。持つところによっては大きく水筒をへこませてしまい、うまく飲めなかったりする。ただしこれは逆に、持ち上げなくても口をつけて吸い込めば吸い上げることができる(パウチに入った飲料があるがそれと同じ飲み方ができる)ので短所ともいいがたい。

こういった長短さまざまあり癖のある水筒であるが、かなり便利でかつ面白い水筒であると思う。興味がわいたならぜひ一度試してもらいたい。

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軽くて頑丈プラスチック水筒

CIMG3048 (2)人間に水は必須である。水無しでは3日と生きていられない。しかしながら水はどこにでもあるというわけではない。よって何らかの方法で運搬する必要があるわけである。

現代では水道があるので昔よりは格段に水の調達は楽になったが、やはり災害時には水道も寸断されて使用不能になる。水が調達できるうちに確保し、持ち歩くことは重要なことである。

そういう水を運ぶ必要のあるときに、ポリタンクやビニール袋など方法は色々あるが、メジャーなのは水筒であろう。

水筒も様々な種類がある。長時間同じ温度を保つ魔法瓶型の水筒、またその中でもカップに注ぐタイプと直接口をつけるマグタイプで分かれたり、プラスチックでできた水筒も色々とある。ペットボトルも一種の水筒といえるだろう。

その中でも頑強性に優れ、軽量である、アウトドア・サバイバル向きの水筒がある。プラスチック、ポリエステルでできたこの水筒は硬く、またプラスチックゆえに軽い。もちろん水を入れれば重いが、水を飲んでしまったあとに負担が少ないというのはかなりのアドバンテージといっていい。

また口が広いものも多く、水を汲む前の、装備品の中に押し込められているときに他の物品を入れておくことができる。ビニール袋に入った米だとか、小麦粉を入れても良いし、パスタや素麺などを入れば他の荷物に押しつぶされて折れる心配も無くなるだろう。他にも食品だけでなく色々な小物を入れることもできる。

このタイプのプラスチックの水筒はいくつかのメーカーから販売されているが、私のお勧めできるメーカーはNalgene(ナルゲン)である。さほど力を入れずともしっかりとしまり、きっちり閉めたあとは漏れも無い。耐熱性も十分(100℃)であり、頑強で不安も無い。私はナルゲンの水筒を2年ほど使用している(上の写真がそれである)が、かなり手荒く扱ってもさほど痛んでるように感じない。

こういう頑丈でしっかりと漏れのない水筒があれば、水の運搬というだけでない利用法もできる。

夏では水を入れた状態で抱えればいくらかは涼しい。サバイバル時でなく日常であれば氷嚢的な使い方もできる。また冬であれば、湯を入れて湯たんぽとして利用することができる。1リットルのものを使えば湯の量もそれなりに暖房に使え、布団など寝具の中に入れれば暖をとることができる。こういう暖房の手段になる装備はサバイバル時には重宝する。湯を入れるという、一歩間違えば大火傷の危険がある行為はしっかりとした水筒でないと難しいからちゃんとしたメーカーのものを選ぶとよいだろう。

こうした水筒類は日常でも使えるから一度使ってみて、能力を実感してみると良い。保温能力には欠けるが、その軽さや取り回しのよさは一考に値するものであると思う。

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