サバイバルでは外に出るものと内にこもるものがある。外に出るのはいわゆる非常持ち出し袋とかアウトドア技術とかである。もう一つの内にこもるものというのは、家屋の防災であり、食料の備蓄であったりする。食料は大抵の場合、日常で使用するものを少し先の分までストックしておくような形でなされるから、実のところほとんどのものについては単一品目についての解説は必要ない。しかし、日常であまり目にする機会のない食品でも、災害時の流通や生活の質を考えたときに備えておくとより好ましいものというのがあるものである。
今回紹介するのはそういった食品のうちの一つ、全粉乳ないし全脂粉乳とよばれるものである。耳になじみのある脱脂粉乳は脂肪が含まれない脱脂乳を粉にしたものであるが、全粉乳は脂肪を含んだ粉乳である。製菓等では使われるものの、一般家庭にはあまり見られることはないだろう。
全粉乳は生乳よりも少ないものの乳脂肪が含まれており、水90gに全粉乳10gの割合で溶かすと牛乳の代用として用いることが出来る。下の動画では水に溶かして飲用可能の状態にしているところである。味が好みでないならと他に砂糖とバニラフレーバーを加えたりもしている。乾燥の工程から多少の風味の変化と低下は避けられないところではある。
海外(とくにアメリカ)では流通の悪いところもあるので粉乳はメジャーな存在で、全粉乳の缶詰製品なんかも色々ある様である。軍隊の食事でシリアルがでるときに一緒にパッケージに入っており水を入れるだけでミルクをかけたシリアルのようになるというものもあったりする。日本でもシリアルは有効な非常食となりうるが、牛乳がないと味気ないものである。ぜひとも全粉乳で飲料を作りそれをかけて、といきたいところである。
残念ながら日本では製菓原料が主なところであり、気軽にどこでも手に入るものではない。手に入りやすいもので一番近いものにクリープ(コーヒーのミルクでクリープのみが粉乳使用)があるが、コーヒーに調整されており甘すぎるところがある。なので興味がある方は製菓材料を多く扱っている店か、インターネットで試して欲しい。私が見かけた一番少ないもので700gと少し量が多いが(牛乳換算で言えばおよそ7リットル分)、保存性は牛乳より断然高いし製菓・製パン・その他料理にも使えるから試してみるついでにパン作りや各種料理に挑戦するのもいいかもしれない。食のバリエーションはどんなときでも生きる活力へつながり得るものである。
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