非常時にはなんでも不足する。流通が途絶えると食料・飲料・電池類のみならず消耗品の類は全て不足するといっていいだろう。そういうときのために備蓄をするのではあるけれども、備蓄用のスペースも金銭も限りある資源であるからより効率よく備えたいものである。そのため、生活の質を大きく落とさないところでは生活物資を節約するということも重要である。その他、生存に欠かせない物資も効率よく使うことで同じ備蓄量でもより長く保たせることができる。
燃料というのは消耗する物資の中でもかなり重要なものの一つである。保存食を温めておいしく食べるというのみならず、飲料水の煮沸、飲食物の調理での加熱は衛生上も非常に重要であり、それを可能にする火とそのための燃料はサバイバルに欠かせないものであるといっていいだろう。
燃料それ自体は利便性を問わなければ木などの可燃物を集めることで得ることは可能である。したがって、さほど備蓄量に気を使わなくていい物資であるという考え方も出来るにはできるのであるが、しかしながら風が強い時や雨の激しい時などでは室内での調理等で焚き火というのはかなり難しい。木材などによる火を安定して使用するためには薪ストーブなどの専用の設備が必要となる。そのため、そういった設備がない場合には簡易的にカセットコンロやもしくはプロパンガスコンロなどを使用し、ガスを備蓄する必要がある。
言うまでも無いが、カセットガスもプロパンガスも有限であるから、これらを使用する際に節約できるならばその方がよい。とはいえ、調理の回数を減らすわけにはいかない。こういった場合は効率のよい道具を用意することでエネルギー資源の消耗を抑えることができる。
例えば水を沸かすとき、アウトドアでよく使われる熱交換効率のよいポットがある
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熱交換がよいということは加熱したい対象物に熱が伝わらずに無駄になることが少ないということで、燃料の節減につながるのである。熱伝導がよいというのも同様の効果が見込める。専用の構造を持つわけではないが、銅の鍋などは熱伝導がよく、火からの熱を速やかに内部に伝えるわけである。アルミなども熱伝導がよいから価格と重量の点からも優秀な素材である。
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逆に土鍋などは熱伝導がよくない上に、比熱が高い。比熱が高いというのは熱しても温度が上がり難いということで、まず土鍋を温めるために多くのエネルギーが必要ということである。これは冷めにくく温度が安定するという料理にはいい性質でもあるのだが、物資の節約の観点から見るとよろしくない。
さて、火からどれだけ熱を効率よく受け取るかという観点で見てきたが、他にも熱を受け取りやすい火を作ろうとするものもある。
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火の熱量自体は増えるわけではないが、拡散して無駄になる熱を減らすことでより少量の燃料で同程度の調理を行うことが可能である。
日常では物資の節約は経済性のために行われる。これは多くの人が関心があり企業もそのために日々改良をしているが、それがサバイバルのためにも有効に働いているといっていいだろう。日々の技術の進歩を見守って、よいものは早期に取り入れておきたいものである。