地面での湯沸し

火は焚けるが鍋は無い。そういう状況というのは結構あるものである。

そもそも、火をおこすこと自体は原始的なもみ錐式の発火法(もみぎりしき:手をすり合わせて棒を回転させて行う発火法)などで行えるため、木とあとはとがった石でもあれば木を加工して発火することができる。

一方で鍋は火に耐えられる素材で、なおかつ容器状でなければならないので、簡単に得られるような物ではない。水を沸かしたりするのに大変便利な道具であるが調達は容易でないのだ。

しかしながら、それでも水を沸かさないとならない状況という物はある。サバイバル時では治療など望むべくも無いので万が一にでも水にあたってしまうわけにはいけないが、水は摂取しなければならないので、川だろうがどぶだろうが、水をなんとかして飲まなければならないからだ。

鍋がないからと煮沸しないわけにもいかず、何とかしなければならないときにそれを何とかするすさまじい方法がある。地面を容器にして焼け石で水を沸かすのである。

上の動画では掘った穴に粘土を貼り付けているが、湿らせた土を練った物でもある程度の止水性があり、水溜りを作ることができる。

この方法であれば、鍋が無かろうとも火と石があれば水を沸かすことができる。土も灰もゴミも少しばかり入るかも知れないがまとめて煮沸し消毒してしまうから大きな問題はない。

なお、もちろんのことであるが、味はひどいレベルであるから鍋が調達できる場合はそのほうがいいのは言うまでも無いことであろう。