薪割りとナイフ

焚き火をするとき、燃やす木は焚きつけと呼ばれる細い木材から燃やし始める。焚きつけに十分火が回ったのちに細めの薪に火がつきはじめ、だんだんと太い薪に火がつくようになる。これが基本的な焚き火の順序である。

したがって焚き火の際は細い木の枝なり木っ端なりを入手し、細めの薪を用意するべきなのであるが、場合によっては太い大振りの木材しか手に入らないことだってある。こういうときどうするのか。

一般的に大きな木材を燃料にするときには薪割りをする。斧を振りかぶり丸太に振り下ろすようなイメージのあれだ。だが、サバイバル状況下、またアウトドア活動中において、斧を所持していない場合も多くあるだろう。そういったときはどうするのか。

ナイフしかないときに、大きな木材に立ち向かわなければならないときの技法に「バトニング」というのがある。バトンingでバトニングである。これは、ナイフを木材に当てて、そのナイフの背を木の棒でたたいてナイフを押し込むという技術である。

バトニングを使えばナイフだけでも結構な太さの木を割ることができ、さらに小さく割ると、あとはナイフを刺してこじるだけで割れるようになる。

また、薪とするためだけでなく、こうして木を割っていくことで板や棒を作ることができる。これにより摩擦式の発火法に使う板や棒を成型するのもより簡単になるだろう。