サバイバルを考えるとき、意外と忘れがちなのは食器である。紙皿なんかはあるけれど、箸やらスプーンやらがなかったりすることだってあるだろう。もしくは破損したり紛失することもあるかもしれない。
そういったとき、文明人の生活を保つためというだけでなく、衛生上の問題からも箸やスプーンを用意できたほうがよい。ナイフがあれば箸の作成は木を削って2本の棒にするだけであるから、使い勝手はともかく、作成が容易であることはほとんど自明のこととしてわかっていただけると思う。だが、スプーンはそこそこ難しい。
まずは動画を見ていただこう
作成の過程で、曲がった特殊なナイフが出てきたと思う。木からスプーンを作る動画を探すと、おそらく全ての動画にこの類のナイフが出てくる。クルックナイフとかフックナイフ、スプーンナイフ等とも呼ばれるこの種のナイフはくり抜くために作られたナイフである。スプーンを作ったり、木のカップを作るのにも使うことができる。
ただし、サバイバルのときにこのような専用の工具があることを期待してはいけないだろうと思う。そういうときには、くり抜く作業を何とか普通のナイフで行うことが必要になる。もちろんナイフの切っ先を使えばある程度は木をくり抜くことができる。これは慣れの問題になるが、かなりの深さまで木を掘り進めることができる。しかしながら、その表面の滑らかさや作業の効率は比べるべくもないくらい悪い。作業の遅さはどうにもならないが、表面の粗さに関しては石などでヤスリがけをして整えることは可能である。
サバイバル時には手元にあるものから必要なものを作ることが求められてくる。その製作にはときに工具の不足から非効率な作業を強いられることがあるが、それが必要であれば多少のことは工夫して乗り切ることが必要だ。