非常時の装備を3段階に分ける 前編

非常時に、持ち出し袋などに水や食料、その他の装備を備えて持ち出す準備をしている方は多いと思う。だが、その装備は非常時に実際に持ち出せるだろうか。

大きな揺れで建物の倒壊が危ぶまれるとき、何よりも避難が重要である。素早く逃げるのに、重たい荷物を背負うのはかなり負担となるし、何より背負ったりする時間はないと思ってよいから、大荷物となる非常持ち出し袋を持ち出している暇はないかもしれない。準備した装備を持ち出すために死んだのでは何にもならない。

一方で、十分な装備を求めると、バッグがはちきれんほどの装備でも足りないことになる。こういうものは緊急で避難する際にはもって出ることはできないが、時間的余裕があるときにはあってほしいものである。

したがって非常時にもって出る装備を3つのレベルに分けて準備するのがいいだろう。食料や水、服や寝袋などなど、様々な装備はあるが、それぞれに重要度に違いがあり、また重さや体積も様々である。これらすべてをみな一様にひとまとめにしておく必要はないのであり、重要そうでないものはいっそ分けて別のところに置いておく思い切りが必要である。

最重要なもの、持ち運びに負担がないものをまとめる

一番持ち出しが優先され、絶対に持ち出す装備は、身近においておきいつでも持っておけるようにしたい。具体的には当座の水と携帯電話である。長期的には水は様々な方法で得ることができるが、例えばエレベーターなどの中に取り残されても水は必要だ。脱水症状の危険はどのようなところでもあるから、常に対処可能にしておきたい。また、携帯電話は外部との連絡を可能とし、救助の要請ができるうえに、その画面の光でライトの代わりにもできるので優秀な道具である。

他に重要度は低いが容積が小さく軽いものを一緒に用意しておくとよいだろう。例えば身分証や金銭、携帯電話の予備バッテリー、コンパクトな裁縫キット、鏡、ハンカチにポケットティッシュ、飴玉などコンパクトで重くなく、それで居て普段の生活にも便利なものを入れておくとよい。これらのものは日常生活で使うだけではなく、災害時にも役に立つことが多い。

私の場合は小さなバッグにこれらの小物を入れ、500mlの水筒とともに持ち歩いている。容量と重量の許す限りに色々と入れているからかなり色々な物品が入っているが、普段の生活のときにもとっさのときに役に立つものが多い。

 

さて、こういった簡易パックに必要となりそうなもの全てを含めることは到底できない。もう少し大きな装備を考える必要があるが、長くなるのでそれはまた次回としよう。

非常時の装備を3段階に分ける 前編
非常時の装備を3段階に分ける 中編
非常時の装備を3段階に分ける 後編