今まで非常用のパッケージについて散々といろいろなことを述べてきているが、それを実践するならばどのようになるだろうか。実例として私の日常使用しているミニバッグを見ていきたいと思う。各人の用意できるものや必要と思うものは異なってくるが、これを参考に足し引き等して合うように改良して使ってもらえれば幸いである。
冒頭に示したようにバッグは小さなものである。マジックテープで留める蓋にファスナー付きのポケットが付いている。元はユニクロに売っていたベルトにつけられるサイドポーチであるが、肩紐をつけて肩掛け鞄として使えるようにしてある。
肩紐はパラコードを編んだもので解けばロープとして使うのに十分な長さがある。また紐で時計もくくりつけているが、これは非常時に時計を探している暇はないから、鞄を確保すれば時計も確保できるようにするためである。
ファスナーで閉じられたポケットはアクセスしやすく取り出しやすいのでとっさに出す必要のあるもの、また日常で利用することのあるものを入れてある。
写真では飴、鏡、ポケットティッシュ、メガネ拭き、ツールナイフ、虫刺されの薬である。
飴は糖質を含み脳の活性化に役立ち、また口の渇きを緩和できる。鏡は自分で見えない部分の確認や、もちろん日常での身だしなみのチェックができる。また救助を求めるときに太陽光を反射させて発見してもらえるようにする手法もある。ポケットティッシュとメガネ拭きは日常でのエチケットなどの面が強いが、サバイバル時には衛生や視界が重要でもあるので持っておいて損は無い。
ツールナイフは必要とされるとき、その瞬間すぐに使いたいということが結構ある。日常では封筒を開けるとか緩んでるねじを締めるだとかで、また緊急時ではシートベルトを切らなくてはならないとかロープを切る必要があるなど、ぱっと出して即座に作業したいことは多いから、すぐに取り出せるところに入れてある。
虫刺されの薬もポケットに入っている。薬自体は他の場所に入っているのだが、夏で虫刺されが多い時期にはそれに対応する薬はとりやすい所に入れてある。冬にはリップクリーム等が虫刺されの薬に取って代わることになる。
外側のポケットはアクセスがよいから即座に取り出すものをいれており、また手探りで全て取り出せるようにするため、いれているものの種類は少ない。
その他多くのものは鞄の本体部分に詰め込まれているが、それはまた次回の話としよう。