第一回から読む
前回はこちら 小さなバッグではあるのだか、いくつかの医薬品も入れるようにしている。治療というにはおこがましいが、ちょっとでもましになるように用意している。といってもちゃんとした薬は痛み止めと酔い止めくらいしかないのではあるが。
薬は痛み止めのバファリン(アスピリン)と同じく痛み止めのロキソニン、また酔い止めのアネロンニスキャップをいれてある。アネロンニスキャップは乗り物酔いによく効くが、その他の目眩などにもある程度効くようである。痛み止めのほうは軽いものはバファリンでよいが激しい痛みはより強いロキソニンで対応するように考えている。一般薬でいえばロキソニンは最終手段といっていい。同種の痛み止めと比べると効果は高いが、それにともなって副作用と価格も相応に高いので乱用は厳に慎まなければならない。
他に口に入れるものとしてブドウ糖と食塩もいれてある。ブドウ糖は急激な低血糖時に服用することで血糖をあげて対処することができる。また食塩は熱中症対策などでよく言われるように人体に必須であり、水分補給とともに塩分補給の必要性があるため、持ち歩くようにしている。またサバイバルでは味付けに乏しくなる可能性があるが、塩だけでもあれば味に多少の変化が加えられるからなかなか重要なのである。
また、同じビニールパックに消毒用錠剤(ミルトンCP)とビニール袋、ゴムバンドも入っている。ミルトンは水に溶かして消毒薬を作るのであるが、それはそのまま消毒剤として傷口の消毒に使えたり、また薄めて使うことで飲料水の消毒に流用できたりする(ミルトンの錠剤を使用する場合は、少しばかり健康に不安のある方法ではあるが、緊急時の話である。気になる場合はさらし粉を用意しよう)。またビニール袋は水汲みに使えたり、また傷口を押さえるのに使用したりする。擦り傷くらいなら良く洗った後に傷口を乾かさないようにラップなどをまくと治りがよい(湿潤治療)が、ビニール袋で代用できるのである。ゴムバンドは駆血帯(縛って血を止めるもの)の代わりに使用するほか、様々に利用できる。
傷といえば、本当に軽い軽症だと、ワセリンを塗って保湿しておけば治ってしまう場合も多々ある。写真は見ただけでは分からないだろうが、ワセリンをビニールパックにいれてあるものである。
ワセリンは軽い傷の手当だけでなく、日常ではカミソリ負けなどの傷にも使えるし、唇にリップ代わりに使ってもよい。またサバイバルではワセリンは燃焼剤としても優秀で、コットンやティッシュペーパーなどにつけたものを燃やせばわりと長い時間安定して燃える。
他にも医薬品的に使えるビタミンカプセル等があるが、長くなってきたので次回にまわすことにしよう。