人間の、いやほとんど全ての生物は大部分が水といっていい。かつて海で生命が誕生し今に至るまで、生命活動は水の存在を前提としてなされてきた。生命の基本がみずであるから、したがって生存のための行動、つまりサバイバルの基本もまた水であることは必然である。
日本国内では水は豊富であり、水源に困ることは少ないだろうと思われるが、その水をそのまま利用することができるかはわからない。
見つけた水源がどうしようもない汚染で利用不能な場合でなければ、そこから何とか水を利用可能な形に持っていき、飲料水やその他生活用水を確保していきたいものだ。その為に事前にいくつかの装備や薬品があれば安全な水を比較的容易に手に入れることができる。
これらの方法は、おおよそ水道局などが浄水場で行っていることに近いことを持ち運べる機材で行おうというもので、正しく行うことができれば安全度は高い。しかし、こういったハイテクノロジーの産物は事前に準備しておかなくてはならず、装備を破損・紛失したり、薬剤が尽きてしまえば実行不能に陥る。一方で、もっと原始的な方法であればその場の資材で作り出すこともでる。高度な道具が無いときにはこれらの方法で水を得ることもできる。
さて、飲用可能な水を得て、それで終わりではない。その場で利用する以外の水については、現代では水道が発達しているからさほど必要性が薄れているが、水を得た後にそれを利用するまで運搬する必要がある。そのとき利用するのは、古代から現代まで存在している水筒である。シンプルな機能ゆえに昔からほぼ形態が変わっていない水筒であるが、現代では素材の変化でより利用しやすいものになっている。サバイバルにおいては保温機能の高いものではなく、保温能力はなくとも軽量で耐久性の高いものであることが重要だ。
筒型は竹筒の水筒から、プラティパスなどの袋型は皮袋の水筒からそれぞれ進化したものということもできる。
水の確保と無害化、運搬は不可欠な水分の安全な摂取に欠かせない。生命の基本である水を努々おろそかにしないように気をつけよう。