危険を意識する想像力をもつべし

非常事態は突然にやってくることが多い。地震や竜巻など、突如おとずれて破壊をまきおこすものであるが、その前兆はほとんど発見できるものではない。しかもそれは自然災害だけでなく、事故などの人災、また通り魔などの犯罪者も脅威である。近頃では車で故意に人ごみに突っ込むような事件もあり、街中でも危険は確実に存在するのである。

そうであるがゆえに、常に生存のために行動する必要があるということになるのであるが、その一方で常に気を張って警戒し続けているのでは疲れてしまう。精神の疲れは判断の遅れや間違いを生むことになり、結局のところ逆効果になってしまうこともある。と、なるとどうするべきなのか。

少しばかり分かり難い話になるが、対策としては、気を使うという範囲で危険に対しての心構えを持っておくというのが良いと思われる。日常生活の中で、例えば戸棚を見て、地震のときは物が落ちてくることもありそうだなとか、交差点で運転を誤った車が来ることもあるんだよな、といった少しばかり想像力を働かせる程度でよい。日常で折に触れてそういった想定を繰り返すことで、非常時に動揺を少なく抑えて素早く行動できるという効果が期待できる。

常在戦場という言葉があるが、その域に達するまでは少しずつの積み重ねが必要だ。ちょっとづつの想像力を日々働かさせることで、常に生き残るために適切な行動に移れるように訓練できるはずである。