サバイバル時には食料の調達が大変に重要である。活動にはカロリーが必要で、食料がなくてはだんだんと衰弱するほかない。そして、サバイバルの必要とされる状況では継続的に食料を得ようとすれば野山に分け入って食料を探す必要のある場合もあるわけである。
そういったことは、まぁサバイバリストであれば大抵考えることで、狩りや採集の読本類は御用達といったところであろうと思う。しかしながらそういった方向の書物は実用一本といったところであり、相当気合を入れないと記憶して実用に結びつけるのは難しいところでもある。サバイバルマニアになればなるほどそういった知識を興味を持って吸収できるようになるとはいえ、すっとはいってくるものであるとは言いがたいものである。
そんなときによく用いられる手法で、漫画で学習するというものがある。漫画で分かる歴史だとか、漫画でわかる物理学だとかそれ系の解説書は枚挙に暇がないし、例えば医療漫画なども医学などを学ぶのに役立ったりもする。そして、サバイバルにも参考になる漫画がある。
サバイバルと名のつく漫画はいくつかあるのだが、それはここでは紹介しない。そういったサバイバルを冠する漫画はサバイバルを扱ってはいるが、ストーリーのために状況を甘くしたり、リスク管理がおろそかであったり描写に誤りがあったりして、医療漫画のような厳密さを求めてない場合が多い。ちょっとした心構えの参考程度にはなるかもしれないが、信用しすぎるのもどうかと思うところである。その一方で、これはすばらしいと思った漫画もある。それが「山賊ダイアリー」である。
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山賊ダイアリーはいわばドキュメンタリー漫画である。銃猟と罠猟をする漫画家本人の猟の様子を漫画化したものであり、実に真に迫った猟の様子を描いてある。獲物をとるだけでなくそれを解体して調理し、食べるところまでしっかりと描写され、処理の仕方や味についても触れてある。また軽くであるが食べられる植物や釣りなどについても触れてあるし、山野の怖さについてもしっかりと教えてくれるのである。最近の特別連載の回では軽いサバイバル(山小屋)を試していたりして、サバイバリストとなかなかに相性のよい漫画であると思う。
楽しんで、それで知識を蓄えられればそれが一番である。最近は漫画喫茶でも読めるので、興味がわいたなら一読してほしい。サバイバルだけでなく、この漫画のファンとしてもお勧めするものである。