サバイバルにコーヒーを一杯

サバイバル、というか、軍の糧食によくあることだが、粉末を溶かすタイプの飲み物がつく場合が多い。そしてそれは多くの場合コーヒーがついている物である。オレンジジュースだとか紅茶だとかもついているのであるが、コーヒーの率は大きいように思われる。

こういったドリンクの粉末類がつくのは軍での少ない楽しみである食事をより楽しくするためのものでもあるが、より切実な実用上の理由もある。すなわち、水の質が安定しないのである。もっと言えば、場所によっては水が耐えがたく不味い場合があるのである。きれいでおいしい水が出る場所を宿営地に選べる場合ばかりではないし、泥水でもすすらねばならないこともある。究極的なサバイバルを実施することを前提とする軍においてはそういったときも一定以上に士気(気力や意志)を保つために少しでもおいしく水分を取れるようにしたいのである。

コーヒーがよく選ばれるというのは強い香りと苦味、そしていくらかある酸味が水自体の味を大きく隠してくれるからであろうと思われる。もちろん良い水で作ったほうがおいしいのであるが、他の飲み物よりはコーヒーの方がごまかしが効くといったところであろうと思う。そしてそれ以外にもカフェインが含まれていて眠気覚ましと精神高揚の効果が見込まれることも実用上の利点としてあっただろう。他にもインスタントの粉末飲料として早期に開発されたという歴史的な要因もあるかもしれないが、それにしてもサバイバルによい利点があるのである。

インスタントコーヒーはどこでも手に入るというくらい入手性がよいし、個別包装であれば、サバイバル中に開封しても保存性はよい。価格も安価で揃えやすいので、装備に隙間があればいれておいてもいいだろう。非常時こそ心の余裕、精神の安定が重要になるシーンが出てくるだろう。コーヒーは嗜好品であるが、なかなか馬鹿に出来ないものなのである。

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非常用食品としての油

非常時には食料は貴重になってしまう。文明社会の中であたりまえのように流通の成果を享受しているときにはあまり思い浮かばないかもしれないが、身の回りの食料というものは特に人口密集地では存外に少ないものである。そんなわけで食料の備蓄が必要になるが、保存性がよく重量の少ない優秀な食料というのはさほど多くない。

保存性のよい食品としては専用の非常食のようなものがある。非常食として売られているものの多くは滅菌と包装によって食料を保つものであるが、どうしても高価になってしまうものであるし、そこから発展して調理したり工夫する余地の少ないものでもある。それで、日常のもので保存性のよいものを探すと、例えば米だとか小麦とかの穀類や乾麺などは常温で長期保存のきく、しかもそれなりにカロリーの高いものである。他にも砂糖や乾燥食品全般など、乾燥したものや精製されたものは長期で保存が可能である。

そういった見方をすると、油脂はかなり優秀な部類となる。油を食料というと少し違和感を感じるかもしれないが、揚げ物では衣などに多く含まれるし、炒め物などでしく油がカロリーを増やしていると目の敵にされているところからいうと、結構なカロリーを油から摂取しているのである。つまり油は高カロリー源である。そして、精製された油はかなり日持ちがするのである。

賞味期限を調べると、ごま油では2年前後、サラダ油・オリーブオイルも2年程度である。またラードは半年だが、固形では酸化しにくく、悪くなっても表面だけということもある様だ。ラードでは缶詰であるが60年以上経ったものが食用に足るとの検査結果が出たというはなしもある。油の劣化は基本的には酸化なので細菌繁殖による毒素はあまり心配要らない(ないわけではないけれど)からある程度安心できる。(まぁ酸敗でも体調を悪くすることはあるけれども)ぺミカンなんていう獣脂で固めて保存するという保存食もあるくらいであるし、オイル漬けも保存食としてあるから保存性はよいのである。

高カロリーで保存性も高いとなれば、まぁ、すこしばかり家に蓄えてもいいし、例えばチューブのラードくらいであれば非常用の持ち出し袋に入れておいても良いかもしれない。他の食料に米などいれておけば調理に使用することで味の幅が広がるし、重量比のカロリーは油脂に勝るものはないのであるから。

もちろん、通常時にはたくさん摂取すると健康上の問題も生じるから控えめにしておこう。が、一転サバイバルになれば油脂は良い友である。日ごろカロリーオフを言われていても、非常時では十分なカロリーの摂取が重要であるから、よいカロリー源である油はサバイバルの強い味方になるはずだ。

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体の変調を把握すること

サバイバル時には自らのコンディションを十分把握しておくことは重要である。疲れすぎては体調を崩し、風邪など引いてしまえば動くこともままならなくなることもある。体が冷えるとしらずしらず体力を奪われて危険になるし、脱水が進行すれば思考も運動能力も低下してしまう。

そういうわけで、自らの体調、その変容の際の兆候を十分把握しておく必要がある。サバイバル時などで緊張状態にあるときでも自らの体調変化の症状を覚えておけば、変調を見逃さずに対策をとれるはずである。

具体的には自分の体の反応を覚えておくことである。危険と思われる体調変化について、安全であるときに軽く試してみておくことで、個人差のある症状について、自分のものを正確に把握しておくことが出来る。私の場合は例えば脱水時に汗が少なくなり熱がこもり始める。風邪の症状が出始める前に耳がかゆくなる。そういった症状と感覚を覚えておく。そうすれば早めの対策、水分補給や早めの休息などが行えるようになる。

脱水・低体温・風邪・貧血・高血圧・低血圧・アレルギー症状等々、様々な体調変化があり、その特徴的な症状を様々なところで知ることが出来るが、自分の場合の特徴は自分を実験台にして量るしかないというところがある。また年齢や季節によっても変わることがある。普段から自らをよく観察し、サバイバルに役立てられるようにしたい。